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会社売却のタイミングはいつがベスト?具体的な目安と高く売る方法

2019/10/17



会社を売却するにはどのタイミングがベストなのか、もしくは売却すべきか、自らの手で続けるべきかの経営方針で迷っている経営者の方は、多いのではないでしょうか?


世の中、どんなものにも旬があり、これは会社にとっても言えることです。

「今が売り時」「今は業績がいい」など、その時々で買手企業から高く評価されることもあれば、時期を過ぎてしまったために評価が下がってしまうこともあるでしょう。


例えば、不動産などで言えば、「東京オリンピックの前年がピークだから売り時だ」というお話はよく聞きます。


不動産で成功されている経営者の方、どなたもこの「売り時のタイミング」を早め早めに決断している傾向があります。


M&Aで言えば、コロナ禍が発生する前と後では、企業価値は大きく異なり、買い手側の会社も企業買収を控える傾向にあります。


つまり、「いつがベストのタイミングなのか?」は誰にも答えることができないのです。


会社売却で最適なタイミングはあるのか?



会社売却で適切なタイミングは、はっきりと「いつ頃です!」と答えることはできません。


過去を振り返って「この頃が売却の最適のタイミングでしたね」とお伝えできることはあっても将来的な予測から、「このタイミングが売却のタイミングとして最適です」とお伝えすることは非常に難しいと言えます。


なぜなら「未来のことは誰にもわからない」からです。


会社売却に関して言えることは、会社を売却するタイミングや専門家に相談するタイミングが遅かったことによる後悔はあっても、早すぎたことに対する後悔ということを経営者から聞いたことはありません


まさに、「会社を売却しようかな」と思った瞬間が最適なタイミングとも言えるでしょう。


具体的な会社売却のタイミング



会社売却のタイミングは断言が難しいものの、「今なら妥当だろう」と目安になる時期は4つあります。


経済環境の変化による売却



株価が一定ではないのと同じく、経済環境も様々な要因で変化します。


例えば、2019年12月末から中国で新型コロナウイルスの感染が広まり、翌年1月からは日本でも全国的に感染が拡大しました。


感染力の高さから会社やお店では臨時休業またはリモートワークを長時間強いられることになりました。


営業ができないことにより経営は赤字に傾き、中小企業や個人事業を中心に倒産・廃業の可能性は高まると懸念されています。


このように、経済環境の変化で景気が悪くなれば倒産・廃業リスクが生まれます。


倒産・廃業に陥っては元の子もないので、経済環境が最悪の事態に向かう前に会社売却を選択肢にいれると良いでしょう。


代表者の年齢や健康状態による売却



中小企業の代表者が年齢や健康状態の都合で引退を考えた時も、適切なタイミングです。

代表が引退を考えた時、すでに後継者がいれば会社売却は必要ありません。


しかし、後継者となる親族や従業員が存在しないのであれば、M&Aにより新しい後継者に自社や事業を引き継いでもらえるメリットがあります。


業界再編やビジネスモデルの変化による売却



人工減少や同地域に同業者が集まったことによる供給過多などが起きると、業界再編またはビジネスモデルの変化が必要となります。

他社と経営統合して経営の安定化を狙う企業も多く、買収に前向きになる会社も多いです。


特に大手企業が参入してきた場合、地域と関わりが深い中小企業の買収には積極的な傾向にあります。


会社売却により異業種と再編を果たせば、新しい事業展開で経営を継続できる可能性もあるので、会社売却にベストなタイミングと言えます。


経営不振や資金繰り難による売却



経済環境の変化に関係なく、自社の経営不振や資金繰りが難航している際も会社売却に適しています。


現状は赤字経営でも経営再建で回復する見込みがあれば、良い条件で会社売却できる可能性に期待できるでしょう。


また、他社にはない独自の優れた技術を保有している場合、買収により買い手は技術を引き継げるメリットがあるので、何か強みがある会社も赤字でもM&Aが行われる可能性は十分にあります。


>>会社売却をするメリット/デメリットとは?


会社売却の方法と進め方



会社売却の方法には株式譲渡と事業譲渡の2種類があるので、特徴と主な流れをご紹介しましょう。


会社売却の方法



会社の売却の方法は大きく2つあります。

「株式譲渡」と「事業譲渡」です。


それでは、2つの違いについてそれぞれ見ていきましょう。


株式譲渡



株式譲渡は株式を買い手に売って会社の所有権を移す方法です。


M&Aでも実施されることが多い手法で、会社が保有する資産・事業・権利などを譲る形となります。

株式の売却で発生した利益は、保有する株数に応じて株主へそれぞれ渡ります。


所有者が変わるだけなので、会社の中身や形態が変わらない点がメリットです。


その一方で、株主が分散されている場合は取りまとめが困難になりやすい点と、株式の売却で発生する譲渡所得に税金(住民税15%+住民税5%=税率20%)が発生する点がデメリットでしょう。


他にも、代表者が変わるので、当然ながら人事・経営への干渉や営業権の計上・償却ができなくなることを理解しておきましょう。


事業譲渡



事業譲渡は自社で行っている事業のうち、特定の事業を他社に譲る方法です。

事業だけではなく、事業に係る権利や向上・社員なども譲ることになります。


一方で、売却の対象にならない事業は売り手側が所有したままなので、そのまま事業を続けられます。

将来性に期待できない事業を売れば、債務やリスク回避につながります。


また、売却した利益は全て会社が受け取れるので、売却益は主要事業へ投資や負債の返済、設備投資などに充てられます。


しかし、株式譲渡の比べると手続きに煩わしさがあり、また譲渡で発生する利益に法人税や税率もかかります。


利益額によって変動しますが税率は約40%と株式譲渡よりも高めで、税務上ではデメリットが大きいです。


会社売却の具体的な進め方



会社売却は買い手探しから始まり、交渉や売却手続き、引継ぎ業務など色々なプロセスを踏んでいきます。

ここで企業売却までの流れを見ていきましょう。


1.M&Aの支援サービスに相談



個人的に売却先を見つけるのは大変なので、M&Aのアドバイス・サポートを行う専門支援サービスへの相談がおすすめです。


支援サービスを依頼する企業が決まったら、アドバイザーとの打ち合わせにより譲渡価格や売却条件を確定していきます。


売却条件が決まると、アドバイザーが売却条件に適した売り手候補を紹介してくれます。


2.代表同士で面談



気になる売り手側見つかったら、経営者同士で面談を行います。

初回は自己紹介程度とあるケースがほとんどで、交渉が行われることはないと考えておきましょう。


主に双方の事業内容の説明や売却の理由、売り手企業に興味を持った理由などを話すことになります。


その後、買い手側は1週間~2週間の回答期限が設けられ、売却の意思があれば「意思表明書」が提出されます。


3.基本合意契約書の締結とデューデリジェンスの実施



基本合意契約書は、定められた期間内は契約を交わした買い手企業以外と交渉ができなくなる「独占交渉権」を寄与するために行われます。


買い手が提出する「意思表明書」をベースに、両者の合意事項が作成します。


なお、現時点では記載した合意事項どおりに譲渡することが確定したわけではないので売り手側は要注意です。


その後、買い手側の負担で財務・法務・労務・事業の4つに対するデューデリジェンス(調査)が実施されます。


4.最終合意契約書の締結



デューデリジェンスの結果から買い手側は最終的な譲渡価格や条件を提示し、売り手側が合意すれば最終合意契約書を締結します。


最終合意契約書は買い手により作成され、価格や支払い方法、譲渡の条件、クロージングの条件、契約解除などの条件が記載されているので、売り手はしっかりチェックしましょう。


5.譲渡手続きとクロージング



最終合意契約が決まれば、双方で会社を譲渡する手続きを進めます。

例えば、取締役を設置する会社なら取締役会、株式譲渡をする会社なら株主総会を開き、譲渡の承認を得なければなりません。


手続きが終わるとクロージング(決済)が実施され、一般的には最終合意から1ヶ月以内に決算日が決まります。


負債や契約の引継ぎが終わり次第、両者で決めた日時で実施されるので、売り手は振り込みを確認しましょう。


そして、3ヵ月~1年程の期間内に売り手と買い手側で引継ぎ業務を行います。


>>会社売却を依頼してから成約までの具体的な手順とは?


会社を高く売却するために



会社売却を行う際は、企業価値に基づき妥当性のある譲渡価格を提示が大切です。

ここからは企業価値を評価する方法と高く売るためのコツをご紹介しましょう。


企業価値評価の方法



譲渡価格の相場は、企業価値に基づいて算出します。

企業価値を評価する方法には、「ネットアセットアプローチ」・「インカムアプローチ」・「マーケットアプローチ」の3つがあります。


▶ネットアセットアプローチ



純資産から価格を求める方法です。

簡単に資産できるものの、将来の価値は考慮されていない点はデメリットと言えます。


特に中小企業は時価で貸借対照表の修正を行っている場合、債務超過または現純資産が大幅に減っている会社が多いです。


希望価格と企業評価に差が生じやすいため、中小企業のM&Aではあまり使われません。


▶インカムアプローチ



将来の営業利益をベースに価格を求める方法で、主にDCF法がM&Aでは採用されています。


現在の財務状況から成長予測・将来的なリスクを含んだ上で、見込める営業利益を求め、資本コストで割って価格を算出します。


将来の価値が含まれるため、実際の譲渡価格に近い価値を導き出すことが可能です。


▶マーケットアプローチ



似ている企業価値の買収事例を例に価格を求める方法です。

比較対象となる企業は財務内容を開示する企業となり、同じ事例が見つかることはほぼないでしょう。


中小企業と上場企業を比較する手法であるため、中小企業が譲渡価格を求める方法としては実務性がないと言えます。


高く売却するためのコツ



会社を高く売るためには、色々なコツがあります。

例えば、安定した利益が出ていたり、安定した取引先を保有していたりすれば、買い手は利益が見込めると感じるので高値で売れる可能性が高いです。


さらに、法務・財務状況に問題がないかも重要です。


訴訟問題があったり、会計処理に誤りがあったりなどリスクを持っていると、買い手はそのまま引き継がなければなりません。


引き継ぐ条件として譲渡価格を下げることを打診してくる可能性もあるので、健全な状態が望ましいです。


また、譲渡所得が増えても、それにかかる税金が大きければ取り分が少なくなってしまいます。


そのため、譲渡所得に対して許される範囲で節税対策を行うことも大事です。


例えば、譲渡所得と退職金ではかかる税金が違うので、譲渡益の一部を代表者の退職金に充てて譲渡所得の割合を下げれば節税が可能です。


他にも取得費や譲渡にかかる費用を大きくすると純利益が下がるので、結果的に節税となります。


>>企業買収の価格はどのような決め方をするのでしょうか?


いつでも決断できる準備は必要



会社を売却しようと思い立っても、すぐに売却できるというものではありません。

どんなに早くても3ヶ月~6ヶ月の時間はかかります。


これは一般的に売却がしやすい会社の話であり、業績が少し悪くなってきている会社や借入が少し多い会社などは半年から1年程度の時間はかかると考えておいた方がいいでしょう。


より会社の売却を短期間に、そして相手から評価してもらえるようするためには下記の準備をまずは行いましょう。


キーワードは「管理」です。


管理体制について



管理ができている企業と管理ができていない企業では売却先から見られるイメージは大きく異なります。

そもそも管理体制とは、財務面の管理体制と組織面の管理体制と分けることができます。

財務面の管理体制は会社や事業を売却する前の評価に影響し、組織面の管理体制は会社や事業を売却した後の評価に影響します。


財務面の管理体制



財務面での管理体制評価は、決算書や提出される資料の信ぴょう性に影響を与えます。

きちんと管理できていれば、売手側から提出される資料の信ぴょう性も高まります。


今後の事業計画などの数値根拠も達成の可能性を含め前向きにとらえてもらえるでしょう。


つまり、「この企業の提出する資料は管理面がしっかりしているので信頼できる」と判断されやすいわけです。


一方、財務面での管理体制が構築できていない企業は、提出される資料などの信ぴょう性が低いと売却先から思われる可能性があります


例えば、直近の試算表を依頼されたが、3ヶ月前のもの提出できないような状況や、取引先の管理や建設業であれば工事台帳なのがしっかりと管理できていないなど。


そういった面は売却先からすればマイナスの評価となりますので、売却前から管理体制の構築をしておくことをおすすめします。


そもそも経営を行う上で、過去の振り返りを行う際に試算表は必要です。


売却する、しないに関わらず、経営を行う上で、最低翌月15日までには試算表が完成する管理体制の構築されることをおすすめします。


組織面の管理体制



組織面の管理体制は会社売却後の評価に影響します。

組織面での管理とは、経営者以外で人材の管理(指揮命令)ができる体制かどうかという面を売却先は評価します。


これは、近年の人材不足の影響もあります。

買手企業はM&Aで事業や会社を買収したとしても、任せる人間が社内にいない(十分ではない)場合もあるでしょう。


今回は買収したいが、任せる人間がいないため買収を断念するケースや、遠方であったため管理者を派遣することができず(買収した会社に任せられる人間がいなかった)に買収を断念したケースもあります。


売却先も人材不足なので、買収先に管理を任せられる人材がいることは、会社や事業を買収する上で非常に重要な要素となっています。


この2つ「管理」については、会社を売却する、しないに関係なく、会社の業績アップのために、ぜひ日ごろから意識して取り組んで頂きたい内容です。


結果として、売却を検討した場合は、必ず買手企業から評価され、より高い金額での譲渡が可能になるはずです。


>>会社売却しやすくするための具体的な準備とは?


売却を決断するための明確な基準を設ける



最適なタイミングを逃さないためのポイントは、ズバリ明確な基準を事前に設けておくことです。


その基準を設けるために必要なのが、今後5か年程度の事業計画でしょう。

よく「5年後なんでどうなっているか分からない」と言われる経営者も多いです。


だからこそ、経営者として、最低5年程度の事業計画、もしくは5年後の会社のイメージは持っておく必要があります。


その中で、例えば

1.この売上数値を下回った場合は、会社の売却も検討する

2.現在の企業価値から80%評価が落ちたら会社の売却を検討する

3.現預金等を一括で借入返済ができなくなったら会社の売却を検討する

4.3年後に親族内で後継者が見つからなかったら第三者への売却を検討する

など


現在の企業価値を導き出した上で、事業計画を作成し、上記のような基準を設けて、売却のタイミングを逃さないというのは非常に重要なことだと言えます。


まとめ



会社売却の適切なタイミングを見極めることは難しいものですが、経済環境の変化や経営者の引退など目安となるタイミングはいくつかあります。


売却や専門家に相談が遅かったという後悔はあっても、早めに検討したことに対して後悔したという経営者は少ないです。


つまり、会社を売却しようかなと思った瞬間が最適なタイミングと言えるでしょう。


会社で最適なタイミングを逃さないためのポイントは2つです。

1つ目は、事前の準備

2つ目は、会社を売却する基準を明確に設ける


1つ目の事前の準備については財務管理、人材管理が重要です。


2つ目の会社を売却する基準を明確に設けることについては、最低限、直近5年程度の事業計画を作成し、その中で会社売却を決断するための基準を設けることです。


これを行っておけば、会社売却のタイミングを逃して後悔することはないでしょう。



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