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人材派遣業

人材派遣業界の市場規模

一般社団法人の日本人材派遣業協会によると、 2017 年の派遣売上高は 6 兆 4,995 億円 、派遣会社の事業所数は 62,408 件となっています。
そして、2019 年 1 3 月平均の派遣社員数は約 142 万人。雇用者全体( 5,619 万人)に占める派遣社員の割合は2.5 %にすぎません。この割合は 15 年ほど変わっておらず、 23%で推移しているのです。

人材派遣業界の売上高と派遣労働者数の推移

2014年以降、人材派遣業界の市場規模は、景気回復により労働市場 は 増加しました。しかし、 人材派遣業はBPO (ビジネス・プロセス・アウトソーシング)といったアウトソーシング業界や AI 、RPA (ロボティックプロセスオートメーション)に代替される可能性があります。 BPOとは、 企業がコアビジネス以外の業務プロセスを、外部の専門家に 委託することです。 また、AIは人工知能、 RPAはAIや機械学習を利用して、これまで人が行ってきた業務を機械が代行する仕組みです。

さらに、2019 年の消費税増税や 2020 年の新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化が見込まれており、人材派遣業協会は 厳しい環境になることが予想されます。

派遣社員とは

人材派遣には「一般派遣」と「紹介予定派遣」の2種類があります。まず、通常の「一般派遣」から説明します。

一般派遣とは

正社員と契約社員は、働く企業と直接雇用契約をむすびますが、派遣社員は派遣会社と雇用契約をむすび、派遣先企業に対して労働を提供します。

派遣会社は、派遣社員に対して仕事の紹介。また、給与の支払い、福利厚生の提供などを行っているのです。

実は、派遣会社にスタッフ登録した段階では、雇用関係は発生しません。派遣先企業が決定した時点で雇用契約が発生し、派遣期間の終了で契約も終了するのです。

ただ、一定期間派遣社員として就業し、正社員や契約社員として派遣先企業への採用が決まる場合場合もあります。派遣社員が対象の「パートタイム労働法」「労働契約法」の改正により、55年連続勤務で無期労働契約への転換が可能になったからです。

派遣の仕組み

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣は、派遣先に直接雇用されることが前提です。派遣期間は通常 3 カ月(最大 6カ月)に設定されます。

一定期間派遣社員として就業し、派遣期間の終了時に派遣先企業と派遣社員が合意すれば、契約社員や正社員として採用されます。

いい人材を採用したい企業と、自分に合った職場で働きたい求職者が、派遣期間中にお互いを見極められるのがメリット です。

職種別派遣社員数

2018年の職種別派遣社員の割合(男女計)を見ると、 「 事務職 」 が 44 万人( 32.4 と最も多く、つづいて 「 製造関連職 」 が 35 万人( 25.7 %)、 「運搬・清掃・放送関連職」が 20 万人( 14.7 %)となっています。

男女計職種別割合(前年比)

労働派遣自業者数

2017年度の派遣会社の事業者数は62,408カ所2015年9月の派遣法改正で、特定派遣事業所が廃止され、すべて許可制になりました。

認可を受けるためには、
①自己名義現金預金額が1,500 万円以上
②1事業所当たり基準資産額が 2,000 万円以上
といった条件を満たす必要があります。

また、届出時点の負債を除いた資産が負債の7分の1以上なければならず、過去に届けた特定派遣事業所も、新たに認可を受けなければ事業継続ができなくなりました。その結果、経営的に破綻していた事業者は事業譲渡や廃業、認可事業者の傘下に入ることになり、業界の健全化と再編が進められました。

売上高ランク別事業者数は、以下の通りです。

売上高ランク別事業所数

「労働者派遣事業 (左図)」 では、派遣先企業での就業が決まった場合に、派遣就業の期間だけ派遣会社と派遣社員が雇用契約をむすびます。 一方の 「 特定労働者派遣事業 (右図)」は、 派遣会社が正社員または契約社員として常時雇用している 社員だけを派遣先企業に派遣します。

労働者派遣事業では 売上高 「 1 億~ 5 億円未満」 事業者の割合が 33.4 %と最も高く、 特定労働者派遣事業では 売上高「 1 ,000 万~ 5,000 万円未満 」 が 43.1 と最多です。 派遣会社の事業者数の推移は以下の通りです。

派遣会社の事業所数(年度)

人材派遣業界の現状と動向

人材派遣業界の市場規模は伸びています。人手不足を背景に、需要が増加傾向にあるからです。
人材派遣業化の業績は、有効求人倍率に比例する傾向があります。有効求人倍率とは、有効求職者に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標の一つ。倍率が 1 を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探して いる 人が多いことを示します。

求人、求職及び求人倍率の推移

令和2年1月の有効求人倍率は 1.49 倍。これは、求職者 1 人に対して 1.49 倍の求人があることを意味しています。平成 26 年以降は有効求人倍率が 1 倍を超えて推移 しているので、人材派遣業界の業績は堅調です。 2019年度も多くの主要企業で売上高が増加しています。 近年の国内では多くの業種で人手不足が問題となっており、人材派遣業界にとっては追い風が吹いています。

業界プレイヤー

ただし、内情を見ると競争が激化していることがわかります。人材派遣業界は、上位5社のシェアが4分の1程度と低く、参入企業数が多いという特徴があります。業界大手に名を連ねるような大手企業でもシェアは独占的ではなく、常に争っているような状況です。製造業などは技術的要素が強く、教育や経験が必要です。

しかし、営業販売や一般事務であれば、長い期間を設けなくても労働力を集めることが可能です。ですから総合人材派遣ではなく、専門性が重視されにくい営業販売派遣や一般事務に特化した企業の新規参入が増えているのです。

法改正による派遣社員の環境変化

2015年の法改正で、有期雇用派遣期間が最長 3 年に制限されました。 さらに 2019年9月以降は、 3年継続して派遣する社員への就業先の紹介、期間制限のない無期雇用への切り替えが派遣企業に課されたのです。
これは人材派遣会社にとって、優秀な人材を確保し続けられるというメリットがあります。

さらに2020年の法改正では「同一労働同一賃金」が義務化されます。「同一労働同一賃金」とは、契約社員やパート社員、派遣社員について、正社員と比較して不合理な待遇差を設けることを禁止するルール。不安定な雇用条件に置かれている派遣社員と、派遣先の正社員との待遇をそろえる「均衡待遇」への配慮が義務化されるのです。 これは、企業の働き方改革が進み、派遣会社にとって事業の拡大が見込めるチャンスになるでしょう。

ただし、法改正に伴い多くの課題が生じると考えられており、人材派遣会社の対応が求められます。

人材派遣業界の課題

人材派遣業界が抱えている課題は、現在の日本社会が抱えている問題とほぼ同じと言ってよいでしょう。つまり、人口減少と少子高齢化にどう向き合うかという課題です。日本は高齢化だけでなく少子化も進んでおり、人口減少の一途をたどっています。

最近は働き手の減少による問題が表面化していますが、減りつつあるのは働き手だけでなく人口そのものであり、需要の絶対数も減りつつあります。人が関連する人材派遣業界にとって人口減少は致命的であり、今後業界規模も緩やかに減少していくでしょう。

少子化 社会問題 高齢化

景気が悪化するとどの業界も影響を受けますが、人材派遣業界の業績は有効求人倍率に比例する傾向があるので、とくに景気変動に影響を受けやすい業界と言えます。 2019 年後半からは景気減速懸念がでてきており 、 打開策に全力で取り組む必要があります。

高齢者ビジネスが注目されているように、今後はさらに高齢になっても働き続けられる仕組みが求められるでしょう。また、主婦層を就労サポートする動きも活発化させる必要があります。 人材派遣業界でも新たなサービスを生み出す必要があり、業界自体も変わることが求められているのです。

また働き方改革により、副業の解禁や残業の軽減など新しい働き方が推進されています。複業が解禁になったことで仕事の選択肢が増え、本業と副業を同じバランスで行う人も増えています。

「複業」「パラレルワーカー」という言葉も普及しつつあり、仕事のあり方はもっと自由になるでしょう。こうした個人メインの働き方は、人材派遣というスタイルにマッチしやすいといえるのではないでしょうか。

人材派遣業の今後の課題

人材派遣業者は、以下のような課題を抱えています

課 題 原 因
人材採用の競争激化 派遣先企業の正社員採用強化/生産年齢人口減少
平均時給の下落 資格未保有・未経験者の増加
業務の代替 ロボット・人工知能による業務の代替
競争激化 BPO事業者の領域拡大
市場の伸び悩み 生産年齢人口の減少

これらの課題を解決するには、以下の4つが必要です。

グローバル化を進める

人材派遣業界の市場は、国内だけではありません。国内の景気や市場動向に左右されないためにも、海外展開を進めている派遣事業者もいます。中長期的には国内市場が伸び悩むと見られる中、海外市場への進出は有効な打開策の 1 つです。

派遣社員を海外に出張させるためには新たな契約が必要ですが、グローバル化する企業が増える中、人材派遣企業もグローバル人材の確保が必要になるでしょう。

ただし、国や地域ごとに法規制や雇用形態が異なるので、国内で培ってきたノウハウを海外でそのまま活用することは困難です。また知名度向上にコストや時 間がかかることから、業務提携や現地企業の買収などでの進出が一般的です。

市場環境の変化への対応

人材派遣業界は、景気動向に左右されやすい業界です。景気が良ければ派遣を必要とする企業は増えますが、景気が悪くなると派遣切りが行われてしまいます。人手不足の企業へ派遣を行うなど、市場への対応力が課題となるでしょう。

法規制への対応

人材派遣会社は、雇用安定の努力と情報開示が義務づけられています。政府は、非正規雇用者の待遇改善に向け、派遣法改正による規制強化を実施しています。賃金や教育方針について情報をまとめ ること や、雇用安定のために派遣先企業の確保や派遣社員に対する充実した教育が必要になってくることでしょう。

HRテックの活用

HRテックとは、 HR Human Resource :人的資源)とテクノロジー(技術)を組み合わせた言葉。テクノロジーの活用によって、採用活動や人材育成・人事評価などの人事業務の改善を行うソリューショ ンを意味します。

ビッグデータ解析やAI 人工知能 などの先端技術を活用し、採用や人材育成などの質を高める必要があります。

人材派遣業界のM&A

人材派遣事業者では、事業領域の拡大を目的としたM&A(買収・合併)が行われています。
上位企業は 国内シェアの拡大だけでなく、海外事業の拡大も M&A を通じて 進めているのです。 近年行われた 主な M&A を 3 つ紹介します。

株式会社リクルートホールディングスによる米Glassdoor社の M&A

2018年6月 、リクルートホールディングスは米国で求人情報検索サイトを運営するGlassdoor社を約 1,300 億円( 12 億米ドル)で 買収しました。 2012年に買収したIndeed社求人サービス 「 Indeed 」 と組み合わせることで、 より充実した HR サービスの提供を目指すことが目的です。

リクルートは、中期的に米国およびグローバル市場において Indeed の拡大と M&A によるHR テクノロジー事業の拡大を目指しているのです。

パソナグループによるNTTグループ人材会社の子会社化

2017年8月に人材派遣業界 3 位のパソナグループは 、 NTT グループの人材サービス会社である NTT ヒューマンソリューションズ 株式会社とテルウェイ・ジョブサポート株式会社を子会社化しました。

NTTグループ の人材サービス会社として培ったノウハウと 高い信頼性を活用し、地方圏での営業を強化することが目的です。 また、 NTT グループ内の企業に対する業務の委託や教育、研修などの サービス提供の拡大も狙いです。

エンジャパン株式会社による株式会社JapanWorkの子会社化

2019年7月、エンジャパン株式会社は株式会社 JapanWork の 51 %の発行済株式を取得して子会社化しました。 株式会社 JapanWork は、外国人向け求人一括サイトの 「 JapanWork 」を運営しています。今回の M&A により、エンジャパンは 外国人労働者事業を通じて、企業価値の向上を目指しているのです。

人材派遣業界のM&A戦略

人材派遣業界はM&Aが積極的に行われる業界と言えます。
M&Aが積極的に行われる理由として

◎ 許認可が必要な業界
◎ 人材確保や取引先の確保
◎ 規模による利益確保

こうした理由から人材派遣業界はM&Aが積極的に行われるのです。

企業評価に関しては、「【売手】人材派遣会社×【買手】人材派遣会社」と「【売手】人材派遣会社×異業種【買手】」では、異業種が買手の方が高く評価される傾向になります。
人材派遣業はある意味で特殊な業界で利益構造も単純です。
そのため同業界であれば、企業価値の算定はある程度厳しくみられ、プラスαの部分の評価は地域、企業規模、特殊な人材の取扱いなどに限られます。
逆に、異業種からの参入であれば、そもそもの許認可に関する評価も含まれ、企業価値+αの評価を受けやすい業界とも言えるでしょう。

まとめ

人材派遣業界は 市場規模が大きく、学生からの人気も高い業界です。しかし今後は人口減少の問題があるので、市場規模の縮小も見込まれています。人口減少により労働者の絶対数が減ると、人材派遣業界同士で人材の取り合いとなります。

少ない労働者を取ろうと競争の激化が見込まれるため、独自の路線やサービスを打ち出す企業も増えるでしょう。市場環境の変化にどのように対応していくか、ということが人材派遣業界には求められています。 今後生き残っていくためには、積極的にM&A を検討してくこともポイントになっていくでしょう。

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