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外食業界M&A

外食業界について

外食とは、ファミリーレストランやファーストフード、寿司、ラーメン、居酒屋など多岐にわたる業界の総称をいいます。小規模店舗が多くを占めますが、ファミリーレストランやフ ァーストフードでは、直営・フランチャイズによるチェーン展開を行う大企業のシェアが高くなっています。

外食・飲食産業の市場規模は 25 兆 7,692 億円ですが、上位 10 社による市場占有率は 10%以下です。比較的寡占化されていない業界なので、M&A による事業拡大規模の拡大余地が大きいといえます。

2019 年の外食需要は、7 月の長雨や 10 月の消費税増税の影響により前年を下回る月がありました。しかし、好調なファーストフードにけん引される形で、外食全体の売上は 101.9%と 5 年連続で前年を上回りました(日本フードサービス協会調べ)。客単価は 2013 年から、客数は 2016 年から前年を上回る伸びになっています。

「売上高」「客数」「客単価」の伸び率推移

好調であった飲食業界も2020年に発生した新型コロナウイルスが原因で、コロナが発生して以降も売上も2月以降大きく落ち込みました。

建設業の許可業者数は、全国で468,311業者(2019年3月末時点)。2018年の就業者数は503万人で、産業全体に占める割合は7.5%です。

3月25日に日本フードサービス協会が公表した「 2 月度外食産業市場動向調査」では、外食産業の厳しい現状が報告されています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、2月末から深刻な状況となり、とくに3月になってからは、ファミリーレストランや居酒屋などの業態で売上が5割以上落ち込むチェーンもでています。

北海道では、インバウンドの減少と緊急事態宣言により、売上の減少が顕著になりました。札幌市内では売上高が 7 割減というチェーンもでています。観光とセットだった外食のインバウンド需要に影響し、外食売上が大きく減少したからです。

居酒屋業界の苦境

2019 年度の業態別の売上を見る(カッコ内は前年比)と、ファーストフード(103.4%)は4年連続、ファミリーレストラン(100.3%)やディナーレストラン(101.5%)、喫茶(102.6%)は 8 年連続で前年を上回りました。しかしパブレストラン・居酒屋(98.9%)は、11 年連続で前年を下回っています。

「売上高」「客数」「客単価」の伸び率推移

2020 年も新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな打撃を受けています。例年、3~4月は居酒屋を始めとする外食業界は歓送迎会シーズンで賑わう時期ですが、予約が入るどころかキャンセルが相次ぐ事態となっているからです。

日本フードサービス協会会員企業の売上高は、過去 10 年ほど低迷しています。客数と客単価、店舗数のすべてが減少傾向にあります。国税庁の調査による酒類販売数量推移によると、 2001 年ごろから種類の売上高が減少傾向になっています。

また年代別の飲酒習慣についても、50 代や 60 代の男性は 50%を超えているものの、20 代の男性は 14.5%、20 代女性は 6.5%という結果です。若年層のアルコール離れにより、居酒屋離れが進んでいると考えられます。

飲酒習慣のある者の割合(姓・年齢階級別)

また、ファミリーレストランなど非居酒屋業態でのアルコールサービスが増えています。いわゆる「ファミ飲み」といわれる現象です。さらに、新型コロナウイルス拡大による緊急事態宣言で外出できないことから、ZOOM などを使った自宅での「オンライン飲み会」も増えています。今後も、居酒屋業界の苦境は続くと予想されます。

外食業界の課題

少子高齢化・人口減少の影響を受けやすい

少子高齢化は将来のターゲットの減少につながり、顧客の奪い合いになっていく可能性が高いと考えられます。総務省の調べによると、2020 年 4 月 1 日時点の日本の総人口は 1億2,596 万人で、前年同月比に比べて 0.24%の減少。2010 年前後から日本では人口が減少しており、2050 年には人口が 1 億人を割り込むとの予想もあります。

卸売業・小売業の販売額の推移

また、2019 年 11 月時点の年齢別人口は以下の通りです。
———————————————————
● 15 歳未満 1,519 万 3 千人  前年同月比-1.34%
● 15~64 歳 7,505 万 9 千人  前年同月比-0.53%
● 65 歳以上 3,591 万人    前年同月比+0.88%
———————————————————

このように少子高齢化が進むことにより、外食産業の主要顧客である15~64歳のいわゆる生産年齢人口が減少し、外食産業の縮小につながる恐れがあるのです。

景気動向に影響を受けやすい

外食業界は、少子高齢化による人口の減少だけでなく、景気の影響を受けやすい業界でもあります。2019 年の消費税増税の影響も大きく受けました。消費者は外食の価格に敏感なため、数十円・数百円の支出負担で飲食店選びを行うことがあります。

ですから、客数減少を恐れ、消費税の影響を価格に転嫁させづらいのです。また、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛もあり、2020 年はこれまでで最も厳しい状況になっています。テイクアウトを進める飲食店もありますが、客数減をカバーできるほどの売上は難しいのです。

人手不足

少子高齢化の問題は、顧客が減少するだけではありません。外食業界は、深刻な人手不足に直面しています。業界の労働問題が表面化したことや、若いアルバイトの確保が難しくなっているからです。人手を確保するため、人材採用の枠をシニアや主婦・外国人に拡大することにより対応している店舗も増えました。また、長時間労働や休暇の取得困難を防ぎ、従業員の定着をはかる必要があります。パートやアルバイトの比率が高いので、人材が流動的なのも問題です。パートを正社員にするなどして、離職率の改善に取り組む必要があるでしょう。

競合・代替品

外食業界にとっての代替品は、内食と中食、デリバリーサービスです。内食とは外食の対語で、家で素材から調理したものを食べること。また、中食とは、外食と家庭での料理の中間で、弁当や惣菜を買って帰り、家で食べることをいいます。

内食は家計の食費支出割合の半分以上を占めていて、その金額も増加傾向です。中食も外食業界が伸び悩む中、拡大傾向にあります。女性の社会進出や共働き世帯、高齢夫婦世帯の増加などによるライフスタイルの変化や、冷凍技術や流通システムの高度化といった技術革新が原因と考えられます。

外食産業の上位企業は、顧客や立地に合わせた専門業態を開発し、多様化する消費者ニーズに応えようとしています。

外食業界のM&A

外食業界では、市場の縮小や人材確保の難しさなど、さまざまな問題を解決する手段として、 M&A が積極的に行われています。近年では、日本食ブームにより海外での外食産業の需要が増加傾向なので、海外展開する企業が多くなっています。海外の同業種企業を M&A で取得し、現地での販路・ノウハウを共有して事業拡大する例も増えているのです。 外食業界の主要プレーヤーであるゼンショーホールディングスとコロワイドは、2000 年以降、M&A を積極的に行ってきました。両社が確固たる地位を得たのは、M&A によるものといっても過言ではありません。

ゼンショーホールディングスによる M&A 戦略

外食大手のゼンショーは、2000 年に「ココスジャパン」、2005年に「なか卯」、2007年に「ジョリーパスタ」を買収しました。今や 20 ブランドを有するまで拡大を進めています。そして国内だけでなく、海外進出についても強化しています。 2018 年には、米国のテイクアウト専門寿司経営会社「Advanced Fresh Concepts Corp(米国・カリフォルニア州)」を買収。同社は、米国で 3,700 店舗、カナダ・オーストラリアを合わせると 4,000 店舗超を展開している企業で、テイクアウト寿司業界では世界一です。
ゼンショーは、この M&A により世界展開を加速させることが狙いです。

飲食業界のM&Aの動向

コロワイドも、2004 年の「贔屓屋」、2014 年の「カッパクリエイト」、2016 年の「フレッシュネス」など積極的に M&A を実施しています。

また、それ以外にも海外で積極的に M&A を行っているトリドール HD や、国内外 80 店舗のラーメン店を運営するウィズ HD を 2019 年 5 月に完全子会社化した吉野家 HD、沖縄でステーキチェーン「サムズ」を展開するグレートイースタンを 2019 年 3 月に買収したフジオフードシステムなど、外食業界の M&A は積極的に行われています。

ただ、年商 1,000 億円を超える国内の外食企業 11 社の売上合計シェアは、外食市場に占める割合は 10%程度であり、他の業界に比べると業界再編が遅れているといえます。

しかし、参入障壁が低いので競争が激しく、流行にも左右されやすいため、業績不振に陥る会社も少なくありません。店舗拡大によるスケールメリットが大きい業界のため、今後もM&A は活発に行われていくでしょう。

また、M&A は同業同士で行われることが通常ですが、外食産業では異業種から参入するための M&A も行われています。とくに周辺産業から参入するため、M&A を行うケースがあるのです。
飲料食品の石垣食品は、2018 年に株式会社エムアンドオペレーションの株式を取得して子会社化しました。この M&A の目的は、エムアンドオペレーションが保有する外食業界のノウハウを獲得することといわれています。

飲食業界でM&Aをするメリット

外食産業はM&Aをするメリットは2つあります。

1つ目は経営課題の解決が行える
2つ目はシナジー効果を得やすい業種業態

です。

経営課題の解決としては、人材の確保が挙げられます。 人材不足の中、一定規模の企業を M&A することで人材の確保ができます。 また、その人材を有効に活用することで企業にとっては多くのメリットを享受することができるでしょう。

2つ目はシナジー効果を得やすい業種業態であるという点です。
セントラルキッチンの活用による原価改善や規模によるメリットを得やすい業種と言えます。また、1つの業態ではなく複数の業態を企業として持つことで、顧客を飽きさせない戦略を打ち出すことも可能です。

まとめ

外食業界について教えてください

外食とは、ファミリーレストランやファーストフード、ラーメン、居酒屋など多岐にわたる業界の総称です。小規模店舗が多いものの、ファーストフードやファミリーレストランではチェーン展開する大企業のシェアが高くなっています。

外食業界の市場規模はどの程度ですか?

外食・飲食産業の市場規模は 25 兆 7,692 億円。ただ、上位 10 社による市場占有率は 10%程度なので、比較的寡占化されていない業界といえます。そのぶん、M&A による市場規模の拡大余地が大きい業界です。

業界全体が伸びているのでしょうか

ファーストフードやファミリーレストランなどは、2019 年まで堅調に売上を伸ばしています。ただ、パブレストラン・居酒屋は 11 年連続で前年を下回っています。そもそもお酒を飲む習慣がなくなっていることや、ファミリーレストランなど非居酒屋業態でのアルコールサービスが増えていることが原因です。最近では、ZOOM などを使った「オンライン飲み会」も増えています。
そして、2020 年は新型コロナウイルスの感染拡大により、どの業態も売上は大きく落ち込むと見られています。

外食業界の課題について教えてください

外食は、少子高齢化や景気悪化の影響を受けやすい業界です。売上が落ちるだけでなく、深刻な人手不足の問題もあります。外食業界はパートやアルバイトの比率が高いので、正社員にするなど離職率の改善に取り組む必要があります。

外食業界の M&A の状況について教えてください

外食業界は市場の縮小や人材確保の難しさから、M&A が積極的に活用されています。また、近年の日本食ブームによる海外事業の展開をはかるため、海外の同業種企業を M&A で取得する事例が増えています。

外食業界の M&A の状況について教えてください

外食業界は市場の縮小や人材確保の難しさから、M&A が積極的に活用されています。また、近年の日本食ブームによる海外事業の展開をはかるため、海外の同業種企業を M&A で取得する事例が増えています。

外食業界の主要プレーヤーの動向はどうですか

外食業界の主要プレーヤーであるゼンショーホールディングスとコロワイドは、2000 年以降、積極的に M&A を行ってきました。両社が確固たる地位を築いたのは、M&A のおかげといってもいいでしょう。 ただ、他の産業に比べると業界の再編は遅れているので、今後も M&A は積極的に行われることが予想されます。とくに 2020 年は新型コロナウイルス感染拡大により、業績不振に陥る会社も少なくありません。今後の動向に注意が必要です。

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