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業種別M&A

不動産業界の動向とM&Aの傾向

不動産業とは

不動産業とは、家屋や土地、ビルなどの不動産について、交換や売買・賃貸・管理などの代理または仲介を行う業種で、主に次の3つに分類できます。

■ 開発(デベロッパー)

リゾート開発や大規模な宅地造成や、都市開発、マンション分譲からオフィスビルの建設まで、幅広く事業展開しているのがデベロッパーです。分譲や賃貸まで行うこともありますが、通常は仲介・販売・管理といった業務をせず、事業主か売主の立場になります。ゼネコンや大手の不動産会社などがデベロッパーになる場合もあります。

■ 流通

マンションを探している人に、すぐに住める物件を紹介する「不動産仲介業」のように不動産物件の仲介や売買を行います。不動産を貸し出すことで家賃収入を得ているのが、「不動産賃貸業者」です。複数の高層マンションやオフィス用のビルなどを貸し出す会社もあれば、アパート一棟だけといった小さな事業を営む事業者もおり、規模はさまざまです。

また建物や宅地の売買や、その仲介を行うのが宅建業者(宅地建物取引業者)です。不動産取引の重要事項の説明は、宅地建物取引士でないとできません。ですから、宅建業者を営むためには、宅地建物取引士が所属していることは必須なのです。

■ 管理

管理業務は、不動産の入居者が快適に過ごせるよう、物件の管理やメンテナンスを行います。また、家賃の滞納や入居者間のトラブルといった、不動産オーナーの悩みを肩代わりすることも大切な業務です。

不動産流通推進センターの調査によると、不動産業界の市場規模はこの10年右肩上がりの傾向にあり、平成19年の不動産業界の売上高は約37.1兆円でしたが、平成28年には約43兆円になっています。

不動産業の資本金別売上高

不動産の法人数は、平成19年の293,330社から平成28年に321,361社まで増加し、全産業に占める比率も10.6%から11.6%まで上昇しています。

不動産法人数の推移

不動産業界の動向

不動産業の取引物件は、オフィスや住宅・物流・商業が全体の80%を占めています。一般消費者の傾向として、持ち家よりも賃貸物件への転居が増加しています。日本全体で見ると空室率が上昇しており、今後の賃料は下がる傾向にあると考えられます。不動産業界の中でもメインのマンション開発と戸建住宅開発の業界動向について見ていきましょう。

マンション開発業界動向

国土交通省の住宅着工統計によると、新築マンション着工戸数ベースは約10万戸の市場規模。これは、新築住宅着工戸数の約1割の規模です。不動産経済研究所によると、2018年のマンション発売戸数は8万256戸です。

総額は約3兆8,192億円と4兆円近い規模になっています。分譲マンションの供給は、景気動向に遅れることが特徴です。マンション開発は用地の仕入れから販売まで2~3年かかる場合が多く、市況の予想や状況に応じた開発は困難になります。

ですから、景気が悪化して需要が減退しても、供給を絞れずに不動産市況が大きく崩れることも多いのです。そのため、業者は不良在庫を抱えないように物件を安値で処分します。そして在庫がなくなれば供給が減少するので、再び市況が回復するというサイクルが存在するのです。

国土交通省の住宅着工統計によると、新築マンションの着工件数は1990度までの25万件水準から、バブル崩壊後に19万件まで落ち込みました。ただ、1994~97年度は20万件を回復。2000~2006年は20~23万件水準での大量供給が続きました。

しかし、リーマンショック後の2009年は7.7万件まで縮小。マンション分譲大手の穴吹工務店や日本綜合地所をはじめ、首都圏の中堅・中小デベロッパーの倒産が相次ぎました。

ただ、2010年以降は回復基調となっており、とくに2018年度は年末にかけ大都市圏での大型物件が多く生じています。

新築マンション着工数

マンション開発はマンション専業だけでなく、不動産仲介、デベロッパー、ハウスメーカー、商社などさまざまな事業者が参入してきました。ただマンション販売戸数の推移を見ると、おおむね2013年前後にピークとなり、2015年から鈍化傾向になっています。

新築マンションに代わる住宅の需要は、賃貸住宅や中古マンショに向かっていると考えられます。2009年度以降のマンション販売戸数は、以下の通りです。

主要各社の販売戸数の推移

マンション開発業界の主なプレーヤー

2018年度は住友不動産が5,865戸で首位。そして、野村不動産ホールディングスの5,258戸、三菱地所の3,938戸と続きます。住友不動産は2016年度に対前年比で15.9%と大きく販売を伸ばし販売個数で首位に立ちましたが、2017年度は4.1%増にとどまりました。

三井不動産は、2016年度に前年比18.4%と大きく販売戸数を伸ばしましたが、2017年度に-28.7%と大幅に減少し、三菱地所を下回りました。上位4社の販売戸数は4~5,000程度の比較的安定した供給を保っていますが、5位以下は3,000戸程度と規模の開きが見られます。

戸建住宅開発業界の動向

国土交通省の建築着工統計調査報告によると、一戸建て住宅の新築着工件数は40万戸台前半で、新築住宅着工件数全体の45%を占めています。分譲一戸建てや持ち家の需要は比較的堅調な推移となっていますが、長期的には人口減少や世帯数の伸び率の鈍化などから、縮小に向かうと予想されています。

2018年度の新築住宅着工件数は、前年度比0.7%増の95万2千戸。その内、戸建住宅が46%を占めています。戸建住宅を工法別にみると、三井ホームに代表されるツーバイフォーが約1割、大手ハウスメーカーが手掛けるプレハブ住宅は1割超であるのに対し、地場の工務店が担う在来木造工法が7割程度を占めています。

戸建住宅開発業界の主なプレーヤー

注文住宅を主要事業とする事業者では大和ハウス工業、積水化学工業、積水ハウス、パナソニックホームズなどの大手ハウスメーカーが有力プレーヤー。これらの企業は、注文住宅以外にもマンションなどの集合住宅や分譲、リフォームなどを総合的に手掛けており、売上規模では大和ハウス工業と積水ハウスが圧倒的になっています。

主な有力プレーヤー

不動産業界のM&A

小さな規模の事業者が多い不動産業界では、事業承継やシェア拡大を目的に会社売却やM&Aが実施されるケースも増えています。

不動産業界は競争の激化と規模縮小により、業務の効率化がはかれない企業は競合相手に負けてしまうケースが増加しています。とくに幅広いサポートが可能な大手企業の力が強くなっており、不動産業を展開している中小企業は厳しい状況になっているのです。

また、経営者の高齢化と少子化による後継者不足が重なり、「事業承継問題」も浮上しています。こうしたことから、中小企業の不動産会社においてM&Aや会社売却を実施することで大手企業の傘下に入り、事業を継続したり、後継者問題を解決したりしようとする動きが活発化しているのです。

ただ、2015年度までは異業種間の大企業によるM&Aが多かったものの、2018年以降は業界全体が縮小しているので、同業種間のM&Aが増加する傾向にあります。

事例1

APAMAN(8889)、サブリース・賃貸事業展開の「株式会社プレストサービス」の全株式を取得して子会社化

2018年5月にAPAMANは、連結子会社である「Apaman Property株式会社」を通じて株式会社プレストサービスの全株式を収得し、子会社化しました。「株式譲渡」を利用したM&Aになります。

株式譲渡とは、会社のオーナーが持っている株式を買い手に譲渡することで、会社の経営を承継させる手続き。APAMANは、自社の賃貸管理や民泊、シェアサイクル、サブリースなどの事業拡大を狙ってM&Aを行いました。

プレストサービスは東京や大阪・名古屋などの主要都市において、賃貸管理やサブリースを行っているからです。

事例2

株式会社アジアゲートホールディングス(1783)、青森の不動産賃貸会社「株式会社東日本不動産」を子会社化

株式会社アジアゲートホールディングスは、不動産の賃貸や売買管理を行う青森の「株式会社東日本不動産」の株式を取得し、子会社化しました。M&Aのスキームは「株式譲渡」となっています。

株式会社アジアゲートホールディングスは東京が本社で、建設事業やゴルフリゾート事業を展開。そして、株式会社東日本不動産は青森にある不動産会社で、不動産の賃貸・売買・管理や再生可能エネルギーを行っています。

このM&Aは両者の事業規模を大きくし、効率的な運営体制を造ることを目的に進められています。

不動産業界のM&A需要

不動産業界のおけるM&Aは非常に高いと言えます。
特に賃貸管理会社の買収ニーズは非常に高いです。
賃貸管理会社は、収益性は低いですが、ストックビジネスであり、管理戸数が増えれば、安定した収益を生むビジネスモデルです。
最近では、不動産を管理していると、それに付随する多くのビジネスチャンスがあるのです。 大規模修繕やその他のメンテナンス業務など、管理以外でのビジネスチャンスが多くある業種と言えます。 そういった背景から、大手管理会社はビルメンテナンス会社を買収したり、住宅関連の工事会社を買収したりしています。

安定した収益力がある不動産管理会社については、需要が非常に高い業種業態と言えます。

まとめ

不動産業界の特徴について教えてください

不動産業とは、家屋や土地、ビルなどの不動産について、交換や売買、賃貸、管理などの代理または仲介を行う業種です。主に、開発(デベロッパー)、流通、管理の3つの分野に分類できます。

不動産業界の市場規模はどの程度ですか

不動産業界の市場規模は右肩上がりの傾向にあります。平成19年度の売上高は37.1兆円でしたが、平成28年には約43兆円になっています。不動産の法人数も、平成19年度の293,330社から平成28年度に321,361社まで増加し、全産業に占める割合は11.6%となっています。

マンション開発業界の動向について教えてください

国土交通省の住宅着工件数によると、新築マンション着工戸数ベースで約10万戸の市場規模。これは、新築住宅着工戸数の約1割の規模です。2018年のマンション販売戸数は8万256戸、総額3兆8,192億円となっています。ただ景気動向に影響を受けやすく、供給を絞れずにマンション市況が大きく崩れることもあります。

戸建住宅開発業界の動向はどうなっていますか

一戸建て住宅の新築着工件数は40万戸前半で、新築住宅着工件数の45%を占めています。分譲一戸建てや持ち家の需要は比較的堅調に推移していますが、長期的には人口減少や世帯数の伸び率鈍化などから縮小に向かうと見られています。

不動産業界のM&A動向について教えてください

不動産業界は小規模な事業者が多いので、シェア拡大や事業承継を目的とした会社売却やM&Aが増えています。また、2015年度までは大企業による異業種間のM&Aが多かったものの、2018年度以降は同業種間のM&Aが増加傾向にあります。

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