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M&A成功のポイント【企業文化を理解するとは】

2018/01/30

~企業文化への理解こそM&A成功への第一歩~

 

 

企業文化とは、企業に根付く文化のことで、企業理念やビジョン、行動指針が社員間で根付き、共通の価値観を基に行動している企業は企業文化があると言われます。

 

 

企業文化は、目に見えるものではなく、会社としての考え方、行動する上での判断基準など、会社全体の雰囲気やその企業から感じ取れるイメージと考えてもいいでしょう。

 

 

M&Aにおいても、上手な経営統合を行う上で、相手方の企業文化を理解することが非常に重要と言われています。

今回はM&A成功のポイントとして「企業文化」についてお伝えさせて頂きます。

 

 

M&Aを成功させるコツ

 

M&Aを成功させるには

「経営者間での条件交渉や買収金額の調整などがうまくいけばよい」

 

または、

 

「事業の融合や新しい事業のスタートなど経営ガバナンスやビジネス遂行ばかりに重きを置く」

 

こういった考えになっていませんか?

 

 

ですが、これでは事業はうまくいかず、シナジー効果も期待できなくなります。

 

 

M&Aは事業だけでなく、従業員なども含めて一括して譲り受けるものです

 

 

そのため、実際に事業に従事する従業員に配慮しなくてはなりません。

 

 

従業員が持つ価値観は、買収される企業における創業者の理念や経営理念、これまでの沿革や歴史と伝統、ブランドストーリーなどを踏まえたものです。

 

 

同業他社であったとしても仕事スタイルは異なっており、仕事の進め方なども特徴が異なることが少なくありません。

 

 

にもかかわらず、買収した企業の企業文化や風土、仕事の仕方や価値観などを押し付けてしまうと、買収された企業の従業員が委縮することやモチベーションが下がってしまうのです

 

 

事業を運営していくうえでは、事業そのものだけでなく、それを運営していく従業員の知識や技術、ノウハウや経験も不可欠です。

 

 

買収された企業の従業員が風土が合わないと離職してしまっては、順調な船出と成長はできなくなります。

 

 

買収する企業優先ではなく、買収される企業の企業文化などに配慮し、自社とはどう違い、どのような文化を築いてきたのかを理解することが大切です。

 

 

そのうえで企業文化を互いに尊重し合いながら、混じり合える点や共通点を見い出す他、違っている部分をどう残し、どう活用していくかを検討しましょう。

 

>>はじめてのM&A 知らないと損をする10コのポイントとは?

 

 

大手企業の合併でも起こり得る企業文化の違い

 

かつて、大手都市銀行の合併が相次いだときにも、企業文化の違いで事業運営がスムーズにいかなくなる事態が起こりました。

 

 

同じ財閥系の歴史と伝統ある銀行同士の合併でしたが、仕事のスタイルが全く違ったからです。

 

 

関東に拠点を置く財閥系銀行は冷静沈着な仕事ぶりで、上品さや気品を感じさせる企業文化が形成されていました。

 

 

これに対して、関西に拠点を置いていた財閥系銀行は何よりも行動力重視、体育会系の企業文化が形成されていたのです。

 

 

全く相容れない企業文化であったため、関西流のやり方に関東流の従業員が付いていけず、同じチームを組んでも仕事がうまくいかない状態が相次いでいたのです。

 

 

その違いに気付き、お互いの企業文化や仕事の進め方などを理解し合い、いずれかのやり方を優先させるのではなく、お互いを融合させた新たな仕事の進め方や新たな方針、事業運営ノウハウの構築をすることで、次第にシナジー効果が生まれることになりました。

 

 

事前のリサーチを丁寧に

 

経営状況や資産状況などはデューデリジェンスなどを行うことで、調査、分析が可能です。

 

 

一方で、どんな企業文化が形成されているかは、表面的な調査や形式的な調査だけでは理解することができません。

 

 

事前に企業文化を知り、M&Aの成功に向けて活かすためには、合併条件などがある程度整った段階で、役員や現場の従業員へのヒアリング調査などをすることも不可欠です。

 

 

実際に営業所やオフィス、工場などに出向き、仕事の様子や進め方などをチェックするとともに、一人ひとりにインタビューをすることやアンケート調査などを実施し、現行企業に対する想いや愛社精神をはじめ、仕事のやり方などについて詳しく調査を実施しましょう。

 

>>ビジネスデューデリーを行う目的とは?

 

 

M&A成功のために重要な経営統合(PMI)とは?

 

M&Aで企業を買収した後の経営統合は非常に重要です。

 

 

多くの経営者がM&A自体が目的になり、対象企業を買収することに多大な労力を使ってしまった結果かもしれませんが、経営統合に同様の熱量を注ぐ経営者はそこまで多くいません。

 

 

どちらかと言えば、現場の責任者に任せて、ご自身は別の買収案件や他の経営課題へと向かっていく経営者がほとんどではないかと思います。

 

 

しかしながら、M&A成功に向けて本当に重要なのは、買収した後の経営統合作業(いわゆるPMI)なのです。

 

 

ちなみにPMIとは【Post Merger Integration】の略称で、近年のM&AにおいてM&A成功の可否を決める最も重要視される業務として見られています。

 

 

このPMI業務を成功させるための第一歩として、重要になるのが、相手企業の企業文化の理解です。

 

 

経営統合が上手くいかない原因とは?

 

PMIが上手くいかない原因として

 

 

・急速な経営統合

・人の要因

・準備不足

 

 

が挙げられます。

 

 

もちろん、その他にも多くの要因がありますが、中小企業のM&Aにおいては、【急速な経営統合】【人の要因】【準備不足】の3つが主な要因です。

 

 

1. 急速な経営統合

 

M&Aで企業を買収したからといって、買収した先の組織や習慣を、人事評価などを急激に変えてしまうことで、従業員の退社や敵対的な雰囲気による作業の非効率化を生んでしまうことがあります。

 

 

ここで重要なことは、売手側への配慮です。

 

 

人というのは、大きな環境の変化に敏感に反応し、不安を抱くものです。

 

 

今後どうなるのか?

自分自身は大丈夫なのか?

働く環境が大きく変わるのではないか?

 

 

などなど、不安を抱くものです。

 

 

こういった不安がある中で、実際に様々なことが変わっていけば、従業員は敵対的な気持ちを抱いたり、退職を選択する可能性が高まります。

 

 

結果として、買収を検討していた当時よりも業績が悪化し、当初想定していたシナジー効果や買収の成果が達成できずにM&Aが失敗に終わってしまうということになるのです。

 

 

2. 人の要因

 

 

人間は誰しも合う合わないがあります。

上司とそりが合わないなど。

 

 

経営者同士は、トップ面談などで複数回会っているので、お互いの考えや人柄が理解できていますが、従業員同士はそうではありません。

 

 

特に経営統合の責任者同士のそりが合わない場合は、経営統合業務が上手くいかない原因となります。

 

 

この問題が起こらないようにするためには、買収側の責任者の対応が重要となります。

 

 

基本的には、売手側の意向や今までのやり方を観察し、お互いに信頼関係を築くことが最も重要な作業です。

 

 

その後、買手企業側の考え方や経営方針を伝えていくことが望ましいでしょう。

 

 

買手企業側の意向ややり方を押し付けるような方法では、経営統合は決して上手くいきません。

 

 

直ちに変更した方が良いものなど買手企業側からみればあるのも事実ですが、優先順位を考え、一定の時間をかけて変えていく方が、長期的に見た時には有効と言えるでしょう。

 

 

3.  準備不足

1. においても2. においても、すべては事前の準備次第で解決できる問題です。

 

 

要は、事前の準備不足や知識不足が原因で、経営統合が上手くいっていないのです。

事前に買収した企業を受け入れる準備をしておくことが必要です。

 

 

・社内組織としての受け入れ準備

・経営統合を任せる責任者の準備

・経営統合のスケジュールや課題の抽出

 

 

この辺りは最低限買収前に買収が完了した後にスムーズに経営統合業務へ移行できるように準備しておきましょう。

 

 

まとめ

 

企業文化は、目に見えるものではなく、会社としての考え方、行動する上での判断基準など、会社全体の雰囲気やその企業から感じ取れるイメージと考えてもいいでしょう。

 

 

M&Aにおいても、上手な経営統合を行う上で、相手方の企業文化を理解することが非常に重要と言われています。

 

 

経営統合で失敗しないために、下記の点は十分に注意して経営統合を進めていきましょう。

 

 

・急速な経営統合

・人の要因

・準備不足

 

 

とにもかくにも、事前準備が重要です。

しっかりとした事前準備を行い、買収する企業のことを受け入れる(理解する)ことから経営統合を始めることが重要と言えるでしょう。

 

>>会社を売却で成功するための具体的な準備とは?

 

 


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