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水平型M&Aとは?垂直型・新規型との違いとメリット・デメリットを解説!

2020/11/29



M&Aには、水平型M&Aや垂直型M&A、新規型M&Aなどがあります。つまり、どういった目的や戦略でM&Aを行うのか?それを分類した1つが水平型M&Aと呼ばれているのです。


M&Aを検討している方は、自社に合った方法を選ぶためにも、それぞれの違いを確認しておくことが大切です。ここでは、水平型M&Aの垂直型・新規型との違いや、メリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

水平型M&Aとは



水平型M&Aとは、同業種、同業態の企業間で行うM&Aのことです。例えば、卸売業の会社が卸売業の会社や事業を買収、製造業の会社が製造業の会社や事業を買収といったケースは水平型M&Aと言えます。


それでは、水平型M&Aの目的や期待できるシナジー効果について詳しくみていきましょう。


目的



水平型M&Aの目的は、業界シェア率のアップや競争力の強化などです。同業種、同業態の会社を買収すれば、事業規模が拡大してコスト削減や知名度アップなどのメリットを得られます。


期待できるシナジー効果



水平型M&Aには、次のようなシナジー効果が期待できます。


シェアの拡大



同業種、同業態の会社や事業を買収すれば、シェアを拡大できます。これまで競争していた企業が1つになれば、自然に業界シェアが拡大するのです。その結果、企業の知名度が上がり、世間からの信頼性が高まるでしょう。


また、売り手が持つ販路や収益力を得られるため、売上を伸ばすことが可能です。買い手がこれまで手を出せなかった領域、地域にチャレンジできるようにもなるでしょう。


海外の同業種、同業態の企業を買収できれば、海外進出も容易になります。ただし、言語や文化の違い、経営に対する考え方の違いなどの問題をクリアしなければ、失敗する可能性が高いでしょう。海外企業との水平型M&Aを検討するときは、より慎重に計画を立てる必要があります。


コスト



水平型M&Aで会社の規模が大きくなれば、一括仕入れによるコスト削減が可能になります。また、物流を1つにまとめることによるコスト削減も期待できます。コストを削減できれば純利益が増加するため、収益アップにも繋がるでしょう。


垂直型M&Aとの違い



垂直型M&Aとは、同業種の会社のうち、上流・下流に属する企業がM&Aで統合することです。例えば、製造会社と販売会社は上流と下流に属するため、垂直型M&Aと違います。


垂直型M&Aを行うと、原材料の調達から製造、流通、販売まで全て自社で完結できるため、中間マージンが発生しません。コストを大きく削減できて、純利益の増加が期待できます。さらに、販売のように顧客に近い会社を買収すれば、消費者や販売者のニーズ、要望などがすぐに届きます。


消費者や販売者の声を速やかに反映することで、短期間で売上アップを見込めます。


新規型M&Aとの違い



新規型M&Aとは、現時点で展開している事業とは全く異なる分野の事業・会社を買収することです。例えば、ゲーム製作会社が健康食品の販売会社を買収したり、新聞社が球団を買収したりするケースが該当します。


>>中小企業がホールディングス化するメリット/判断基準とは?

水平型M&Aの事例



水平型M&Aは、日本国内で数多く行われてきています。ここでは、知名度が高い企業が行った水平型M&Aの事例をご紹介します。


大手コンビニエンスストアチェーンの水平型M&A



大手コンビニエンスストアチェーンのファミリーマートは、同じくコンビニエンス事業を展開するサークルKサンクスと統合しました。


これにより、大量生産・大量発注が可能になり、コスト削減や商品の統合に成功しています。ファミリーマートがローソンやセブンイレブンと並び、現在も広く展開されているのは、サークルKサンクスとの水平型M&Aを行えたからと言えるでしょう。


大手家電量販店の水平型M&A



大手家電量販店のビックカメラは、同じく家電量販店のコジマと水平型M&Aを行いました。不採算店舗の閉店、販路の拡大などによって、利益の拡大に成功しています。ビックカメラと言えば、ヨドバシカメラやエディオンと並び、日本全国に展開している有名な家電量販店です。これまで長きにわたり繁栄を続けているのは、水平型M&Aが功を奏したためと言えるでしょう。


建材メーカーの水平型M&A



健在メーカーの文化シャッターが同じく健在メーカーの西山鉄工製作所を買収しました。建材分野における事業領域の拡大や顧客基盤の強化などを目的としています。健在メーカーの水平型M&Aは、他業界と同じく、コスト削減や販路の拡大などが期待できます。


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水平型M&Aのメリット・デメリット



水平型M&Aには、メリットとデメリットがあります。垂直型、新規型も踏まえ、自社に合った方法を適切に選ぶためにも、水平型M&Aのメリットとデメリットについて詳しくみていきましょう。


メリット



水平型M&Aには、次のメリットがあります。


既存事業の強化(市場規模の拡大)



既存事業の顧客基盤や販路、流通の統合など、さまざまな形で既存事業を強化できます。また、2社の売上が1社に合算されることで、結果的に市場規模が拡大します。市場規模が拡大すれば、「○○と言えばA社」というように知名度が上がり、さらに売上アップが見込めるでしょう。


技術獲得にかかる年数の短縮



技術面で他社に劣っていても、年月の経過とともに技術力が高まることが期待できます。しかし、その頃には他社がさらに先を行っているため、シェアでどうしても劣ってしまうでしょう。そこで、技術獲得に必要な人材をM&Aで獲得できれば、技術獲得までの年数を短縮できるのです。


デメリット



水平型M&Aには、次のデメリットがあります。


想定していたシナジー効果が生まれないリスク



水平型M&Aに限ったことではありませんが、シナジー効果は必ず得られるとは限りません。税務面、法務面などのリスクを見落とすことで、M&A後に大きな問題が発覚する恐れもあります。シナジー効果が生まれるかどうかは、事前の企業分析やデューデリジェンスなどの結果を踏まえ、慎重に考えることが大切です。


優秀な人材の流出リスク



M&Aでは、人材も含めて確保できることがメリットですが、買収先の企業で大量に人材が流出した場合、想定していたメリットを得られない可能性があります。M&Aに反発することで、多くの人材が流出するケースは少なくありません。


>>M&Aでシナジー効果を発揮するポイントとは

水平型M&Aを実施するときの流れ



水平型M&Aは、M&A仲介会社やFAに依頼することが大切です。水平型M&Aのリスクを踏まえ、最適な形で進められるように全面的にサポートしてくれます。それでは、水平型M&Aを実施するときの流れを詳しくみていきましょう。


1.専門家に相談する



仲介会社やFAなどに相談して、M&Aを実行するべきかどうか、どの程度の額で買収できるのかなどを相談します。


2.スケジュールを策定する



相談内容を踏まえ、M&Aのスケジュールを策定します。一般的に、半年~1年でM&Aは完了するでしょう。


3.売り手候補を探す・選定する



水平型M&Aを行う目的を踏まえ、最適な売り手候補を探します。ノンネームシートやさらに詳しい情報を提供して、M&Aを行いたい企業を選定します。


4.交渉する



トップ同士の面談で、M&Aの諸条件を交渉します。このとき、どのような想いでM&Aを行おうとしているのか伝えることが大切です。一方的に諸条件を提示するのではなく、売り手側の条件も踏まえ、落としどころを見つける必要があります。


5.M&Aの成立



基本合意後、デューデリジェンスで問題がなければ最終契約をします。デューデリジェンスは、法務・財務・税務のリスクを調査するもので、買い手が売り手に対して行います。弁護士や税理士、公認会計士など、それぞれの分野における専門家に依頼しましょう。


最終契約では、弁護士の監修の元で契約書を作成することが大切です。M&Aの成立後は、引継ぎなどを行い、体制を整えます。


>>会社売却の方法と具体的な進め方とは

水平型M&Aの相談先



水平型M&Aの相談先は、FA、仲介会社、士業専門家です。それぞれの特徴や役割を詳しくみていきましょう。


FA



FAは、M&Aアドバイザーとも呼ばれ、買い手と売り手のいずれかにとって有利になるように交渉をサポートする専門家です。買い手がFAに依頼した場合は、売り手もFAに依頼して、お互いの利益を追求することが一般的です。


ただし、M&Aは人と人とのつながりで実現するものであり、相性が悪いと思われてしまうと交渉が決裂してしまいます。そのため、お互いの事情を踏まえ、両者にメリットがある形でM&Aを実行できるように交渉することが大切です。


仲介会社



仲介会社は、買い手と売り手の間に立って、円滑なM&Aをサポートする専門家です。いずれか一方の利益を優先せず、あくまでも事務的なサポートを行います。FAと同じく、企業価値の算定や契約書作成、スケジュールの策定、買い手・売り手探しなどを行えます。


士業専門家



士業専門家には、弁護士や税理士、公認会計士などがいます。主に、デューデリジェンスで売り手企業の法務・税務・財務のリスク調査を行います。また、買い手と売り手を繋げる仲介会社のような役割を担える士業専門家もいます。


ただし、仲介会社やFAのように豊富なネットワークを持っていないため、自社に合った買い手・売り手を選定できない恐れがあるでしょう。


M&Aを成功に導くために



中小企業のM&Aにおいて、成功するためのポイントはいくつかありますが、その中でも重要なことは、「M&A自体が目的とならない」です。


多くの中小企業経営者が「M&A自体が目的」となってしまい、買収が完了した時点でM&Aが成功したと勘違いしています。


M&Aは買収してからが本当のスタートです。

その意味においても、M&A前の準備が重要になります。


・M&Aをする目的を明確化

・買収後の具体的なPMI(企業統治)のスケジュールや計画

・買収後の事業を任せる人材の準備


この様な準備を上で長期的な視点を持ち、M&Aの成功に向けてしっかりと計画性をもって取り組んでいくことが、M&A成功において最も重要なことと言えます。


まとめ



水平型M&Aは、同業種、同業態の会社・事業を買収することです。シェアの拡大、売上アップ、顧客基盤の強化など、さまざまなメリットを得られます。水平型、垂直型、新規型を問わず、M&Aを検討している場合は、FAや仲介会社に相談しましょう。より多くのメリットを享受したい場合は、FAに相談することをおすすめします。



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