1. M&Aを検討するなら【ミツカル】
  2. > コラム
  3. > 財務戦略
  4. > 赤字決算が経営に与える影響とは

財務戦略

赤字決算が経営に与える影響とは



会社経営では赤字決算に陥ってしまう場合も少なくありません。

そもそもあえて赤字決算が選択されるケースもあります。


ただし、赤字決算が長期的に続くと様々な経営リスクを招いてしまうため、あまりおすすめできません。


赤字決算が会社経営に対してどのような影響を与えるのか、また健全経営を行うためにできることは何か、ご紹介していきます。


赤字決算とは



赤字決算とは、会社に入ってきたお金より会社から出て行ったお金が多く、結果として損失を出すことを指します。


会社の経営は利益を追求して行うことが基本なので、赤字決算は原則的には避けるべきです。


会社経営は、商品を仕入れ、その仕入れた価格よりも高い価格で売ることで、手元に残るお金が増え利益を出すことで成立します。


支出を少なくし、収入を大きくすることをサイクル化することで黒字決算を目指すのが企業の本来のあるべき姿です。

しかし、様々な理由で最終的な決算で赤字を出してしまうことがあります。

一般的に赤字という言葉自体にはマイナスイメージがあるものの、赤字決算にはデメリットがある反面、メリットもあるので、経営者は赤字決算の影響をしっかり把握しておきましょう。


>>赤字経営から脱却する方法とは


赤字決算になる理由とは



赤字には主に4つのタイプがあります。

1. 営業赤字

2. 経常赤字

3. 当期純損失

4. キャッシュフローの赤字


国税庁の調べで、日本の全法人の中で、赤字経営となっている法人の割合は7割を超えることが分かっています。


日本国内の法人の99%は中小企業ということから考えると、多くの中小企業(全体の6割以上)が赤字経営に陥っているのが現状です。

それぞれの赤字タイプごとに、赤字経営に陥る理由を見てみましょう。


1. 営業赤字



経理上の営業赤字は、本業の営業で上げた利益がマイナスになることで起こります。

つまり、本業での赤字と言えます。


企業が衰退する危険度が高い状態で、取引先や金融機関の信用度も下がる経営状態です。


ただし、減価償却費は現金の支出を伴わない経費のため、減価償却費を含めた赤字の場合と、そもそもの営業赤字とは区別して考える必要があります。


2. 経常赤字



経理上の経常赤字は、本業の事業と営業外の収支がマイナスになることで起こります。


営業で利益を上げて黒字になっていても、金利などの負担が大きいなどの理由で全体として赤字に陥るケースです。


企業が衰退する危険度は高く、取引先や金融機関の信用度が下がります。

特に金融機関は、利息が大きな収入の1つです。


利息を払った後の利益が赤字ということは、金融機関からは利益を還元してくれない企業と見られ信用が下がるのは言うまでもありません。


3. 当期純損失



経理上での当期純損失は、最終的な利益がマイナスになった時に起こります。

法人税などを支払った上での経営活動の成果が赤字と言うことを意味します。


営業利益も経常利益もプラスの場合でも、最終的な利益がマイナスになれば当期純損失の状態です。


中小企業では資産の売却損などで当期純損失となるケースも多くなります。


4. キャッシュフローの赤字



4つの「赤字」の中で、最も注意が必要なものが、キャッシュフローの赤字です。


営業利益も経常利益も、当期の最終利益も赤字であっても、減価償却費のように現金の支出がなく経費計上できるので、キャッシュフロー上は黒字で損益上では赤字という会社も多くあります。


キャッシュフローの赤字は、現金の収支でマイナスが出ることで起こります。


現金がないという状況では経営の継続は困難であり、経営破綻に突き進むしか道はありません。


もちろん、赤字経営となれば会社は成長できません。

しかし、数多くの中小企業が赤字経営に追い込まれながらも、実際に清算や破産に追い込まれる会社は全体の1%程度です。


つまり、ほとんどの赤字経営が問題なのではなく、キャッシュフローが赤字であることが経営上、大きな問題なのです。


>>債務超過が経営に与える悪影響とは?


赤字決算の特徴とは



赤字会社にはある共通点があります。

それは「経営者」「取引形態」「過度な節税」です。


それぞれの特徴を詳しく見てみましょう。



経営者の特徴



会社が赤字になるのも黒字になるのも9割の責任は経営者にあります。

赤字から脱却したければ、経営者を変えるしかないとさえ言われます。


赤字経営から抜け出せない経営者は、なぜ赤字に陥っているかを客観的に分析していません。


財務状況を的確に判断できず、やみくもに人件費を削減するなどの間違った対策を行って、より業績が悪化して赤字が深刻化してしまうことも多いです。


なぜ赤字になっているかの本質を見極められない経営者は、正しい経営判断も行動もできないでしょう。


的確な赤字打開策も打ち出せず、資金を投入してもコストに見合った効果を得られない結果となります。


また、「やりたいこと」と「やれること」を勘違いしている経営者も多くいます。


なぜ顧客から自社が選ばれているのか?

その理由を知ることが、赤字脱却の第一歩と言えるでしょう。


取引形態の特徴



赤字決算になるということは、社会情勢の変化に経営判断がマッチしていないことにも原因があります。


既存の商品やサービスに固執する下請け体質だと、時代を先取りした新しい経営戦略は打ち出せません。


取引形態や取引先、顧客を過去の成功だけに頼って選択すれば、変化する時代に取り残され赤字に陥ってしまいます。


過度な節税という特徴



経営者は税金の支払いを渋る傾向があります。

資金繰りで悩んでいるからこそ、できる限り節税をしたいと考えるのも理解できますが、赤字のことよりも節税にばかり意識が向いています。


税金を支払うことが悪という価値観(税金を払う=お金を取られるという価値観)を持っている経営者が非常に多いです。


絶税自体が悪いということではありません。

消費税はお客様や取引先からの預り金であり、支払義務があります。


法人税は、確かに諸外国と比べ高い傾向にありますが、税金をしっかりと払うことで得られるメリットもあります。


節税はあくまでも、税の繰延に過ぎません。

決められた法律の中で、適切な節税をされることをお勧めします。


赤字決算が経営に与える影響とは



赤字決算は会社経営に様々な影響を与えます。


銀行融資が受けにくい?



赤字決算となってもすぐに倒産するわけではないものの、経営上のデメリットはあります。


最も大きいデメリットは、金融機関からの信用が低下し融資が受けにくくなる点です。


新規の銀行融資が受けにくくなるため、運転資金が足りない場合は資金調達が難しくなり倒産リスクが高くなってしまいます。特にキャッシュフローが赤字の会社は注意が必要です。


赤字決算が続くと倒産するのか?



赤字決算が続いて赤字が累積して増えれば問題は深刻となります。

会社を存続させるためには、事業活動を通して利益を出し続けることが大切です。


累積赤字が増え続ければ、最終的には債務超過となり倒産します。


税金ではメリットがあるのか?



赤字決算になると税金を納めずに済むという制度があり、あえて赤字決算にする会社もあります。


法人税の計算は利益をベースに計算するため、利益が発生していない赤字決算の場合は法人税の支払いが不要です。


赤字分は翌年度以降に繰り越して、翌年度以降の法人税の節税もできます。


さらに中小企業の場合は、赤字を出した前の期に収めた法人税も還付金として受け取れます。


このように、赤字決算には税金上のメリットがあるのです。


会社売却の可能性が低くなるのか?



赤字決算を出した会社を買収する事例は少なくありません。

実は、買収する側にとって赤字会社の買収は様々なメリットがあります。


赤字決算の会社でも将来性や技術力がある会社など、資金投入で価値があれば会社売却できる可能性は高くなります。


ニュースを賑わせたメルカリやノーリツ、ライザップなどによる赤字会社の買収劇も記憶に新しいでしょう。


赤字決算だから会社が売却できる可能性が低くなるのではなく、売却の可能性は会社としての価値に左右されると言えます。


>>赤字や債務超過の企業の売却は可能ですか?


債務超過になることが最も良くない



赤字清算そのものよりも、赤字清算から債務超過に陥ることが危険です。


一過性の赤字では問題ない



赤字には様々なタイプがあり、事例によって深刻度は異なります。

創業期に起こりがちな創業赤字や、アクシデントによる臨時的な赤字など、一過性の赤字は大きい問題とはならないです。


会社創業から5年以内で、事業計画上で合理的に赤字の計画となっていて黒字化が見込まれる創業赤字については、金融機関は正常と判断します。


設備投資や固定資産の売却損、災害などの一過性の赤字で次年度以降の黒字が見込まれる場合も、金融機関の信用度に影響はありません。


債務超過になると銀行融資のハードルが上がる



しかし、節税目的も含めて2期連続で赤字決算にすることは避けるべきです。

一般的に、連続で赤字決算をすると既存の借入部分について、追加での融資が受けられなくなる可能性が高まります。


当然、新たな融資を受けるための審査も厳しくなり、黒字化が見込める経営改善が必須となるでしょう。


債務超過になると自主廃業はできない



節税効果を期待しすぎて漫然と赤字決済を続けていると、累積赤字が膨らむ場合もあります。


資金繰りが厳しくて事業を再建できずに赤字決算を続けるのも危険です。

最終的には債務超過に陥ってしまいます。


決算内容が債務超過となれば、会社に残っている財産よりも、借り入れや支払うべき給与・退職金、未払金などの額の方が多い状態ということです。


つまり、会社を清算するのではなく、倒産となってしまうため経営者の個人破産も避けられないケースが多くなります。


会社を創業するときより、廃業する労力と時間の方が負担は大きくなるので、赤字決算を続けて債務超過になることは極力避けましょう。


>>倒産と廃業の違いとは


会社継続にはキャッシュフロー経営が大切



会社の継続を目指すためには、キャッシュフローを管理することが重要です。


キャッシュフロー経営の考え方



会社を経営することは、会社の事業が継続されていくことを示します。

会社は現金がなければ倒産してしまうため、会社を継続していくためには運転資金が必要です。


最低でも月商(年商÷12)の1ヶ月~2ヶ月程度の運転資金は確保すべきでしょう。


会社の現金の流れを徹底して管理するキャッシュフロー経営の考え方は、中小企業の経営者にこそ重要です。


会計上では利益が上がっていたとしても、手元に現金がなければ税金などの支払いが滞ってしまいます。


手元に現金がなければ、納税のための資金を金融機関から借り入れることになるでしょう。


実際に手元にある現金の動きを正確に把握するキャッシュフロー経営は、健全経営に欠かせません。


キャッシュフローが回っていれば倒産はしない



中小企業こそ、損益計算上の利益だけでなく、キャッシュの動きを把握することが大切です。


利益と実際に手元にあるお金は違います。

現金が何に使われ、どこから調達できるかさえ把握しておき、資金が回っていれば倒産はしません。


キャッシュを生み出さない事業で売上を上げても、手元にお金が入ってこないなら事業資金は確保できないので、経営判断をする場合にはキャッシュフローが回るかという視点が重要と言えます。


安全に経営を続けるために、キャッシュフローを回す意識を持っておくことで、結果的に常にお金や支払いを心配せずに経営に集中できるようになります。


金融機関からの借入に頼り切った経営ではなく、現金を生み出し回す経営を目指しましょう。


資金繰り表の作成によるキャッシュフロー経営



資金繰り表は決まった書式はないので、自分の会社に合った項目を設けて作成します。


勘定は合っているのに銭が足りないということを防止するためにも、資金繰り表を作成しましょう。


実績だけでなく計画についても資金繰り表を作ることで、実際の会社のお金の流れだけでなく、今後のお金の流れも見える化できます。


資金が足りなくなる前に、しっかりと資金繰り表を作成し会社のお金の流れを見極めてください


赤字から倒産に至るまでの具体的な流れ



最後に「赤字から倒産に至るまで」の具体的な流れについて見ていきましょう。


1. 具体的な経緯



創業して数年、赤字/黒字を繰り返しながら、会社の売上高も大きくなってきた会社がありました。


売上の増加によって、取引銀行も融資を継続して取り組んでくれている環境です。


(1)借入の限度額の問題



ここで1つ問題が発生します。

年々売上が順調に増加していても、どこかで必ずストップする時期がきます。


銀行は各企業に関して、業種業態に違いはありますが、おおよそ月商の3ヶ月~6ヶ月程度の借入総額までは、融資対応をしてくれます。(注:会社の財務状況で判断は変わります)


これは1つの金融機関からではなく、日本政策金融公庫や保証協会付などすべての金融機関からの融資総額という意味です。


ある一定額に達した会社に対して、金融機関は追加融資に対して厳しく審査するようになります


(2)融資を受けてきた理由



次の問題が融資を受けてきた理由です。

仮に赤字補填のための融資(キャッシュフローが赤字で、その補填のための融資)であれば、ある一定額の融資総額に達した段階で、金融機関からの融資を受けることはできなくなります。


融資が受けれなくなると企業の選択肢としては、返済を継続して融資総額が減ってきた時期に折り返し融資を受けるか、金融機関への返済をリスケジュールしか方法はありません。


(3)リスケジュールを選択する



ここまでの財務状況となると、恐らく金融機関への返済負担が大きくなっていると想像できます。


新規融資や追加融資が受けれない、目先の資金も潤沢にないとなれば、まずは銀行への返済負担をなんとかしたいと考えリスケジュールを選択する企業は多いです。


リスケジュールを選択した時点で、銀行からの融資を受けることは困難な状況となりますので、自らの収益のみで資金繰りを行っていく必要があります。


(4)法人で借りれないとなると個人



恐らく、このような財務状況となると、次は経営者が個人的にビジネスローンなどを借りて、会社の資金繰りに充てるという状況になっているはずです。


(5)最終的には倒産へ向かうしかない



ここまでくると、社会保険、税金関係の滞納が発生し、更に経営状況は悪化していきます。


取引先への支払い遅延、未払金の増加など、自力での再建は厳しい状況となり、会社としては倒産へ向かうしかありません。


2. 何が問題であったのか。その回避方法は



最大の問題は、営業キャッシュフローが赤字であったことです。


赤字→資金不足→融資での補填→赤字→資金不足→融資が受けれない→倒産


どこかで、赤字(営業キャッシュフローの赤字)を止めるべく、経営者としては、改善を図るべきでした。


金融機関が融資してくれるからという安易な考えで赤字を見過ごしてきた経営者の責任は当然に重いです。


こういった状況に至らないためには、赤字体質からの脱却が必要です。


仮に、自らの手で対応できない場合は、早期に第三者へ相談することが望ましいでしょう。


遅くても②の状況であれば、まだ経営改善できる可能性は十分にあります。


また、抜本的な改善としてM&Aによる事業売却や法人の譲渡による改善方法は十分に検討できるはずです。


しかし、リスケジュールをして、負債が大きくなった財務状況では、その選択肢は限りなく狭くなってしまいます。


経営者としては、その点は十分に認識した上で、早期の対応することをお勧めします。


まとめ



赤字決算が経営に与える影響は、赤字のタイプにより異なります。

計画的な赤字決算で節税をすることも可能です。


しかし、資金繰りに悩み赤字決済を続けてしまえば、会社は倒産し経営者個人も破産してしまうでしょう。


そのため、赤字決算で債務超過に陥ることは避けなければいけません。


赤字決算による債務超過を避けるために経営者がすべきことは3つです。


1. 早めに専門家からアドバイスを受けること

2. 相談する相手を見極めて選ぶこと

3. 経営者としての正しい決断をすること



まずは経営者としての判断で何が正しいのかを知るために、早めに実績のある専門家に相談してください。


間に合ううちに相談すれば最悪の事態を回避できる確率は高まります。

赤字清算の会社に関する専門性の高いアドバイザーを選んで依頼し、健全経営への道を進んでください。



全国に無料相談を承ります。

ご相談は無料です。お気軽にお声かけください。

Copyright© 2018 BIZIGN. All Rights Reserved.