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M&A全般

会社売却ではどのタイミングで社員や金融機関に売却を報告するべきか?

 

回答
基本的には最終合意契約を締結した以降に報告することをお勧めします。

 

 

多くの売主が勘違いしている報告のタイミング

 

 

M&Aを依頼され、トップ面談(注:1)が行われ、双方前向きに話が進んでいるタイミングで、よく売主側から

 

「銀行や社員へは報告しておいた方がいいでしょうか?」

 

というご質問を受けます。

 

 

売主側の経営者からすれば、銀行や社員への報告はしっかりしておいた方がいいという考えがあるかもしれません。

 

 

特に銀行への報告は早い方が言いのではという思いが強いように感じます。

 

 

この様な考え方は別に間違ってはいませんが、銀行や社員へ報告するタイミングを間違えると、売主側の企業が後々大きな損失を被る可能性もあります。

 

 

ですので、銀行や社員への報告するタイミングや報告の仕方については

慎重に対応しなければなりません。

 

(注:1)トップ面談とは売主と買主の代表者や決済責任者が面談をすること

 

>>会社を売却したら経営者・社員はどうなるのか?

 

 

 

なぜ最終合意契約後の報告なのか?

 

 

では、どのタイミングで社員や銀行に報告するのがベストなのでしょうか?

 

 

それは最終合意契約締結以降です。

 

 

より間違えないタイミングはクロージング後(決済後)のタイミングが良いと考えます。

 

 

しかしながら、最終合意契約書の契約内容に社員への同意がクロージング(決済)の条件、という内容が含まれている場合も多いです。

 

その場合はクロージング(決済)前に社員への報告(特にキーマンとなる社員がいる場合には、面談を希望される場合があります。)が必要になる場合もあります。

 

 

どちらにしろ、最終合意契約書の締結以降に社員や銀行へは報告するようにしましょう。

 

 

なぜ、最終合意契約書の締結以降、もっと言えば、クロージング後の報告が望ましいのか?

 

 

それは、契約事は最後に決済されるまで何が起こるか分からないからです。

 

 

万が一、すべての譲渡が完了する前に、銀行や社員へ報告を行っていて、最終的に決済が行われなかった場合、売主側が受ける損害は非常に大きなものになります。

 

 

最終合意契約書の締結以降が望ましい理由は、最終合意契約書自体に法的拘束力があるからです。

 

 

簡単に言えば、よっぽどのことがない限り、契約事項に関しては遂行しますということに合意しており、万が一、一方的に契約破棄を申し出た場合は、損害賠償請求ができる契約内容になっています。

 

 

基本合意契約書はあくまでも仮契約なので、法的拘束力はありません。

 

 

そういった意味で、最終合意契約書以降の報告が万が一のリスクヘッジを売主側ができるので、最終合意契約書以降の報告をお勧めします。

 

 

買主との交渉の過程で、従業員の中でキーマンとなる社員と、最終合意契約締結前に面談をさせて欲しいという要望を頂く場合も良くあります。

 

 

そういった場合は、面談人数は最小限にし、周りの社員や取引先には一切口外しないことをしっかりと説明した上で社員との個別面談を実施しましょう。

 

>>取引先や社員、金融機関に会社売却の話が伝わらないか?

 

 

売主側が抱える具体的なリスクとは?

 

具体的な売主側が抱えるリスクとはどういったものがあるのでしょうか?

 

 

このリスクとは

万が一、会社や事業の売却が最終的に合意できなかった場合(成約できなかった場合)に発生するリスクです。

 

 

銀行(金融機関)へのリスク

 

 

銀行へ会社や事業の売却を検討していると報告した場合、企業の財務状況にもよりますが、融資などへの影響がある可能性があります。

 

 

あくまでも可能性の話です。

 

 

順調に売却ができれば問題ありませんが、万が一、売却がうまくいかず、継続して自社での運営となった場合に、銀行から

 

 

「あの会社は売却を検討しているから追加の融資(折り返し融資)などは一旦様子を見よう」

 

 

と思われる可能性もあります。

 

 

そういったリスクを回避するためにも、最終合意契約締結後、もしくはクロージング後に報告することをお勧めしています。

 

 

また、会社の売却後の融資の返済や借換、連帯保証の切替などは、買主側と連携を取って対応すれば全く問題はありませんので、早期に銀行へ報告する必要はリスク面を考えれば控えておいた方がいいでしょう。

 

 

社員へのリスク

 

 

どちらかと言えば、銀行へのリスクより、社員へのリスクが会社としては重要かもしれません。

 

 

人は変化を嫌うことが多いです。

 

 

今まで慣れ親しんだ会社の環境が、売却することで変化してしまうのではないか?という疑問や不安から会社を退職する社員が出てしまうというケースも良く見られます。

 

 

実際に経営者の交代や会社の売買で社員が退職を決断するもしくは、今まで表面化しなかった労働問題が表面化してしまったという事例は数多くあります。

 

 

そういった意味でも社員への説明や報告するタイミングは慎重にならなければなりません。

 

 

前述もしましたが、最終合意契約書の中に社員の継続雇用がクロージングの条件という内容が含まれていることもありますので、決済前での社員への報告は、しっかりと準備して対応してください。

 

 

万が一、会社や事業の売却がうまくいかず、継続して自社での会社運営となった場合、社員まで退職してしまう事態になってしまう事態だけは、経営者として絶対に避けなければいけません。

 

 

その点も十分に理解した上で、社員への報告は行いましょう。

 

>>譲渡契約書にはどの様な内容が含まれますか?

 

 

まとめ

 

 

銀行や社員への会社や事業の売却の報告は、最終合意契約書締結以降に行いましょう。

 

 

理由は万が一売却の話が纏まらなかった時のリスクを回避するためです。

 

 

また、最終合意契約締結以前に買主からキーマンとなる社員との面談等を希望される場合もあります。

 

 

その場合は、慎重に対応を行い、キーマンとなる社員への事前説明などをしっかりと行い、リスク回避をしておくことをお勧めします。

 

 

「企業は人なり」と言ったもので、社員あっての企業です。
その対応を間違ってしまうと大きな損失があることを経営者としてしっかりと認識しておきましょう。


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