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会社の値段の決まり方とは?算定方法や値段を高める方法を解説

2022/09/07





会社を売却する際は、会社の値段を算定する必要があります。


複数の算定方法があるため、自社に適した方法を選ぶことが重要です。

ここで気になるのが、会社の値段に相場はあるのか?ということではないでしょうか。


会社の値段には相場が存在しませんが、事業内容や買収のメリット、無形財産、有形財産など、さまざまな要素を加味することで、適切な値段を算定できます。


ここでは、会社の値段の決まり方について、算定方法から値段を高める方法まで詳しく解説します。


会社の値段を決める算定方法





会社の値段の算定方法を確認しておくことで、売却時の値段交渉を適切に進められるようになります。次のような算定方法があります。

  • コスト・アプローチ
  • マーケット・アプローチ
  • インカム・アプローチ


それぞれの算定方法について詳しく見ていきましょう。

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コスト・アプローチ



コスト・アプローチは、会社の純資産から企業価値を算定する方法で、ストック・アプローチやネットアセット・アプローチともいいます。


純資産から企業価値を算定する際は、次のいずれかの方法を使用します。

 

  • 時価純資産法
  • 簿価純資産法


それぞれ詳しく見ていきましょう。

時価純資産法



時価純資産法は、資産と負債を時価換算したうえで、一株当たりの値段を算定する方法です。


時価換算する資産には有価証券や土地、所有しているオフィスビルなどが、負債には退職給付債務などがあります。


含み損益が大きい場合、現時点での会社の価値を正しく算出できないケースに注意が必要です。


含み損が大きいものの、事業を継続すれば損を解消できる状況でも、会社の値段はそれだけ低くなってしまいます。


実務としては、買手企業が買収時にデューデリジェンスを実施し、その際に決算書の資産項目を時価評価し直しますので、一般的なBS(バランスシート)の評価は時価純資産法が利用されます。


簿価純資産法



簿価純資産法は、帳簿で確認できる資産と負債から純資産を算出し、それを基準に1株あたりの値段を算定する方法です。


帳簿さえ確認できれば誰でも算定可能です。


多額の含み損益がある資産を保有していても、会社の値段をある程度正しく算定できます。


ただし、資産と負債を個別に評価するため、お互いが関係し合うことで得られる付加価値を会社の値段に反映できません。


マーケット・アプローチ



マーケット・アプローチは、株式市場における自社株の価格や、株式を公開している同業他社の価格から企業価値を算定する方法です。


モデルとなる企業を参考にすることで、ある程度の精度で会社の値段を算定できます。


買い手としても値段のイメージをつくことで、買収を打診すべきかどうか判断しやすくなります。


注)企業規模が大きい場合などに利用される手法ですので、中小企業(特に売上高数十億円以下の場合)では、マーケットアプローチによる評価方法が採用されるケースはありません。


マーケット・アプローチには、「市場株価法」と「マルチプル法」があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。


市場株価法



市場株価法は、市場で公開している自社の株式の価格に基づいて会社の値段を算定する方法です。


市場株価は、多数の株主が持つ会社に対する評価や期待値を表すため、買い手としても納得感が大きくなるでしょう。


ただし、株価が大きく下がったタイミングで会社の値段を算定すると、その原因によっては正当な値段になりません。


例えば、業界全体への不安から同業他社も一緒に株価が落ちるケースがあります。


反対に、業界全体への期待から株価が一時的に大きく上昇するケースも少なくありません。


マルチプル法



マルチプル法は、自社と類似した上場企業の株価を参考に企業価値を算定する方法で、「類似会社比較法」や「株価倍率法」とも呼ばれます。


なお、マルチプルは「株価指標」のことです。


算定の参考にする類似企業は、同業種で扱う製品やサービスが類似しており、さらに売上高や総資産額、成長率、利益率なども似ている必要があります。


株価をベースにするため客観性に優れていますが、会社ごとの特性までは考慮されていません。


そのため、特殊な事情を抱えているケースでは、値段を適切に算定できない可能性があります。


インカム・アプローチ



インカム・アプローチは、会社が将来的に生み出すことが期待される収益に基づいて会社の値段を算定する方法です。


中でも代表的な手法の「DCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法」と「収益還元法」について解説します。


DCF法



DCF法は、買収後の見込み収益を一定の割合で割り引いて会社の値段を算定する方法です。


将来のキャッシュフローから値段を算定するため、事業の成長性や特殊性などを反映しやすい点が特徴です。


ただし、計算方法が複雑なため、専門知識が欠かせません。


DCFのデメリットとしては、採用する数値(ディスカウントする数値)により、評価が大きく変わる点です。


中小企業の場合、将来の収益見込みを予測することが非常に困難です。


安定した売上高及び利益を長期的に出している企業であればDCF法による評価も参考にはなりますが、将来が不確定な中小企業の場合、DCF法のみによる買収判断もしくは価格査定は現実との乖離が発生する可能性は高いので注意が必要です。


収益還元法



収益還元法は、一定期間に得られた純利益の平均額を資本還元率で割ることで会社の値段を算定する方法です。


安定した収益があれば企業価値をある程度正確に算定できますが、設立から間もない企業や発展途上の企業など、売上が安定しない企業の値段は正確に算定できません。

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会社の値段が決まる要因



会社の値段には、株価や純利益などだけではなく、設備や従業員、取引先、顧客なども関係しています。


会社の値段が決まる要因について詳しく見ていきましょう。


純資産額



純資産は、資産から負債を差し引いて残ったものです。


純資産が多くなればなるほどに会社の価値が高くなるという考え方で値段を算出します。


設備



事業運営に欠かせない設備も会社の値段に影響を与えます。


設備の中には数千万円以上のものもあるほか、入手に特別な手続きを踏んだり、独自のコネクションを利用したりするものもあります。


そのため、設備の数や種類、特性などによっては会社の値段を大きく左右します。


従業員



従業員は事業運営に欠かせない存在のため、会社売却や事業売却の際はそのまま契約を引き継ぐことを条件に交渉を進める場合もあります。


中でも事業運営に必要なスキルや資格を持つ従業員は、会社の値段に大きな影響を与えます。


会社売却の際に従業員が退職すると、会社の値段だけではなくM&Aそのものに影響が及ぶ恐れがあるため、退職しないように対策が必要です。


取引先



取引先との関係は一朝一夕で築けるものではありません。


大口の取引先をはじめ、さまざまな取引先との契約関係も会社の値段に影響を与えます。


取引先を引き継げない場合、事業そのものの継続が困難になったり、買い手が自ら取引先を探したりしなければなりません。


そのため、取引先との契約を引き継ぐことを前提に会社売却を進めます。


顧客



顧客は会社の売上を継続的に作る存在です。


顧客を引き継いでこそ、会社を譲受するメリットを得られます。


顧客を引き継げない場合は自ら顧客を探すことになり、その間も会社の維持にコストがかかるため、大きな損失を受ける可能性もあります。


特許・技術・ノウハウ



特許や技術、ノウハウなども会社の売上を作るために欠かせないものです。


技術やノウハウは従業員が保有しているものであるため、従業員を引き継ぐことで技術やノウハウも引き継ぐことができます。


ブランド力



企業がこれまでに築き上げてきたブランド力も会社の値段に影響を与えます。


ブランド力が高くなればなるほどに知名度が高まります。


また、口コミで評判が広がりやすくなるため、マーケティングコストを削減できるでしょう。


MEMO
買手企業がM&Aをする目的は、以下の2点になります。


売上高の拡大|利益率の改善です。

買手企業はM&Aを経営戦略の手段として、重要な位置づけにあります。
経営者は、「現在よりも売上を伸ばせるか」「利益を出せるのか」などを常に考えています。
売上高の拡大と利益率の改善をクリアするためには、
事業規模の拡大|アウトソーシングしている事業の内製化(利益率の改善)|人材の確保|経営の多角化を取り入れる必要があります。
これらの目的を達成するためにM&Aを積極的に取り組み、売上高の拡大と利益率の改善を目指しているのです。

>>買手企業がM&Aをする理由とは?



会社の値段を高める方法



会社を少しでも高く売却したい場合は、次のポイントを押さえましょう。


買い手にとって魅力的な無形財産を増やす



純資産を増やすことで会社の値段も高くなりますが、すぐに増やせるものではありません。


技術やノウハウ、特許、ブランド力といった無形財産を増やしましょう。


買い手にとって魅力的な技術やノウハウがあれば、それだけ会社の値段が高くなります。


ブランド力を高めるには、同業他社よりも優れた製品を作るとともに、的確なマーケティングを継続しなければなりません。


自社の強みを明確にしたうえで交渉する



会社の値段の算定方法を解説しましたが、最終的な値段は買い手との交渉で決まります。


自社の強みを明確にしたうえで交渉することで、買い手が買収のメリットを感じやすくなるでしょう。


また、強みを買い手に伝える際は、買い手が求めていることを知る必要があります。


例えば、売り手企業の地域で事業を速やかに始めたい場合は、その地域で地位が高い会社を買収したいと考えます。


地域住民とのコネクション、競合他社との売上の比較などの情報を提示しつつ、自社が地域で確固たる地位を築いていることをアピールしましょう。


自社を高く評価してくれる買い手を選ぶ



どれだけ買い手のニーズに沿った交渉を行っても、高く評価してくれない場合は値段を上げることはできません。


そのため、自社を高く評価してくれる買い手を選ぶことが大切です。


なるべく安く買収したいと言われたり、強みを強みと認識してくれなかったりする買い手は避けた方がよいでしょう。


POINT
アドバイザーの選定はM&Aを成功させるための重要な要素です。


特に売手側の場合は、アドバイザー次第で、売却条件が全く変わることがあります。
また、M&A成約時に締結する契約書の内容など、経験のある/なしで、その内容は大きく違ってきます。
仲介を依頼するのか?
アドバイザーを依頼するのか?
この違いもありますが、自社の代弁者として相手方と交渉してもらうので、アドバイザーの選定は慎重に行うようがよいでしょう。

>>M&Aは誰に依頼する?選ぶポイントと依頼前に確認すべきこと



まとめ

会社の値段の算定方法には、コスト・アプローチやインカム・アプローチ、マーケット・アプローチなどがあります。


適切な算定方法は会社の規模や業種、その他の特殊性などで異なります。


また、なるべく高く売却したい場合は、FAに相談することが大切です。


あなたの会社がなるべく高く売れるように、なるべく好条件で売れるようにサポートしてくれます。


今回、解説した内容を参考に自身にとって理想の会社売却を目指しましょう。


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