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会社売却すると従業員はどうなる?待遇・退職について解説

2021/01/23

 

「会社売却のとき、従業員の雇用を守れなくなるのではないか…」などと考え、一歩を踏み出せない経営者は少なくありません。結論から言えば、会社売却後も従業員の雇用は維持されることが基本です。

 

 

ただし、必ずしも全従業員が売却後にも働き続けられるとは限りません。ここでは、会社売却後の従業員の待遇や退職の有無について詳しく解説します。

 

会社売却を成功に導くステップ

 

会社売却後の従業員はどうなる?

 

 

会社売却後の従業員の待遇や雇用の維持について、次のポイントを押さえておきましょう。

 

 

従業員も買い手側に引き継がれることが一般的

 

 

会社売却後は、従業員も買手企業に引き継がれることで雇用が維持されるケースがほとんどです。そもそも、会社を買収する目的の1つに、「従業員が持つ技術やノウハウ、労働力の獲得」があるため、買収時に従業員を引き継がないことは買収側にとってデメリットでしかありません

 

 

また、売却側の経営者が従業員の雇用維持を譲れない条件に定め、交渉することが一般的です。

 

 

その条件が通れば、「会社買収の際に従業員の雇用を引き継がない」という選択ができなくなります。

 

 

>>会社を売却したら経営者や社員はどうなるのか?

 

 

労働条件は変わる可能性がある

 

 

会社の特定の事業、またはその一部を譲渡(事業譲渡)する場合は、いったんは会社を退職して買収先の会社に転籍する形になるため、新たに雇用契約の締結が必要になります。そのため、社員の雇用と待遇について、売却先の企業と事前に話し合っておくことが重要です。

 

 

退職することになる場合もある

 

 

事業譲渡では、売却先の企業が譲受するものを自由に選択できるため、全ての従業員が引き継がれるとは限りません。売却側としては、従業員の雇用を維持するために、別の事業や支社への異動などを考慮することが大切です。

 

 

しかし、従業員が納得せずに、退職してしまう場合もあります。例えば、通勤時間が非常に長くなったり単身赴任を余儀なくされたりする場合、退職を選ばざるを得なくなることもあるでしょう。

 

 

これは、売却先の企業に従業員の雇用が引き継がれた場合も同様です。そのため、会社売却なら全従業員の雇用を守れるというわけではありません。

 

 

会社売却における従業員のメリットとデメリット

 

 

会社売却における従業員にとってのメリットとデメリットを確認しておきましょう。メリットとデメリットを踏まえて従業員と話し合うことで、両者が納得できる結果へと導ける可能性が高まります。

 

 

メリット

 

 

会社売却において従業員が得られるメリットは限られています。また、全てのケースにおいて従業員にメリットがあるわけではありません。まずは、会社売却における従業員のメリットから詳しくみていきましょう。

 

 

経営が傾いていた場合でも退職せずに済む

 

 

経営が傾いていた場合、希望退職者の募集やリストラなどが必要になる可能性があります。会社売却に成功すれば、経営不振を理由に退職を余儀なくされる事前を防げるのです。そのため、経営が傾いている場合の会社売却は、従業員にとってむしろ歓迎されるべき行為と言えるでしょう。

 

 

もちろん、全ての従業員の雇用が維持されるとは限りませんが、倒産すれば全従業員の雇用を守れなくなります。そのため、従業員の雇用を守りたい場合は会社売却も視野に入れることが大切です。

 

 

大企業で働くチャンスを得られる

 

 

会社を買収したい企業は、中小企業から大企業までさまざまです。中でも大企業に会社を売却する場合は、従業員にとって大企業で働くチャンスになります。大企業での就業経験があれば、今後のキャリアアップにも役立つでしょう。

 

 

中小企業から大企業に転職したくても、なかなか成功しないのが現状のため、大企業への転職を目指している従業員にとっては、大企業への会社売却にはメリットがあるのです。

 

 

>>買手企業がM&Aをする目的とは

 

 

デメリット

 

 

会社売却によって、譲渡先の企業で引き続き働くことには、次のデメリットがあります。

 

 

買い手企業の風土に慣れる必要がある

 

 

企業風土は企業ごとに異なります。そのため、譲渡先企業で働く従業員は、その企業風土に慣れる必要があるのです。これまで働いたことがある企業と同じような企業風土であれば、慣れるのに時間はかからないでしょう。

 

 

しかし、企業風土が大きく異なる場合は、働きにくさを感じてパフォーマンスを発揮できなくなる恐れがあります。

 

 

待遇が悪くなるリスクがある

 

 

会社売却では、従業員の雇用契約がそのまま買い手に引き継がれますが、後から待遇が変わる可能性があります。例えば、買い手企業の業績不振によって、ボーナスをカットしたり基本給を下げざるを得なくなったりする場合があるのです。

 

 

また、会社の買収は、経営が順調なときにだけ行うわけでは限りません。再起をかけて会社を買収するケースでは、従業員の待遇が変わることを了承したうえで売却することになる可能性があります。

 

 

会社売却後に従業員が自ら退職するケース

 

従業員の雇用を守りたい場合は、会社売却後に従業員が自ら退職するケースについて確認しておきましょう。ケース別に対策することで、従業員の雇用を守れる可能性が高まります。会社売却後に従業員が自ら退職するケースは、主に次の4つです。

 

 

待遇に不満がある

 

 

会社売却によって経営者が変わると、業務内容が変わったり異動を命じられたりする可能性があります。待遇は業務内容に応じて変わるべきものですが、必ずしも比例するわけではありません。

 

 

業務の負担が上がったのに待遇がよくならないことに不満を感じると、退職してしまう恐れがあります。そのため、会社売却の際には、待遇と業務内容にバランスをとってほしい旨を買い手に伝えておくことが大切です。

 

 

経営理念や企業理念が合わない

 

 

従業員満足度には、経営理念や企業理念への共感度が関与しているといわれています。そのため、経営理念や企業理念が自分に合わないと感じると、業務に対するモチベーションが下がり、自ら退職してしまう恐れがあるのです。

 

 

特に、これまでの経営理念や企業理念に強く共感して長く勤めてきた人物への影響は大きいでしょう。会社売却後に経営理念や企業理念が大きく変わる可能性があるか確認しておくことが大切です。

 

 

企業風土になじめない

 

 

企業風土になじめない場合、キャリアアップに悪影響が及ぶ可能性があります。自分に合わない企業風土では、業務を円滑に進めることができないうえに、正当な評価を得られず、モチベーションが大きく下がる恐れがあるのです。

 

 

会社売却後に企業風土が大きく変わる可能性について、買い手に確認を取っておきましょう。

 

 

適切な人材配置ではない

 

 

優れた能力を持つ人材に誰でも行える業務を割り振ったり、能力に対して難易度が高すぎる業務を割り振ったりすると、従業員のモチベーションが低下します。適切な人材配置になるように、従業員ごとの詳細なデータを買い手に渡しておくことが大切です。

 

 

>>M&A成功のポイント【企業文化を理解する】とは

 

 

会社売却のときに従業員に退職してもらいたい場合の対応

 

 

会社売却や事業譲渡のときにやむを得ず従業員に退職してもらいたい場合には、次のように対応しましょう。

 

 

退職勧奨

 

 

退職勧奨とは、従業員に自ら退職するように勧めることです。会社が退職を勧めて退職しても、会社都合退職ではなく自己都合退職になります。なお、退職勧奨では恫喝や恐喝などの行為は認められておらず、不当な退職勧奨によって退職させた場合は、損害賠償請求や告訴などをされる恐れがありますので慎重に行う必要があります。

 

 

早期退職

 

 

早期退職とは、定年を迎える前の退職を促すことです。ただし、退職勧奨と同じく自主的な退職が基本であり、会社が強制することは違法行為にあたります。早期退職では、退職金を上乗せして支払うことが基本のため、必ずしも有効な方法とは限りません。

 

 

希望退職

 

 

希望退職は退職者を募集する方法のことで、会社都合退職で処理します。あくまでも、従業員の希望によって退職するものであり、会社側は強制できません。希望退職を募集すると、会社売却や事業売却における買い手のメリットに大きく影響を及ぼすような優秀な人材が手を挙げるケースがあります。

 

 

この場合は、引き留めの交渉を検討しましょう。引き留めに応じずに退職した場合は、自己都合退職となります。

 

 

整理解雇

 

 

事業譲渡において整理解雇が認められるには、次の4つ全ての要件を満たす必要があります。

 

 

  • 人員削減の必要性がある</li>
  • 解雇を回避するよう努力した
  • 合理的かつ公平な方法で整理解雇の対象者を決めた
  • 解雇者が理解できるような説明・協議などの手順を踏んでいる

 

 

企業の維持が難しい状態や、客観的に見て経営危機に陥っている状態では、「人員削減の必要性」が認められる場合がほとんどです。そのうえで、他の方法を模索して、なるべく解雇を回避する必要があります。

 

 

会社売却の事実を従業員に伝えるタイミング

 

 

従業員に会社売却の事実が伝わると、少なからず動揺するでしょう。早々に退職してしまったり、モチベーションが下がることで業務に支障をきたしたりする恐れがあるため、会社売却の事実を伝えるタイミングは十分な検討が必要です。

 

 

会社売却する旨を従業員に伝えるタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

>>会社売却ではどのタイミングで社員や金融機関に売却を報告するべきか?

 

 

まとめ

 

 

会社売却では、基本的に従業員の雇用が維持されます。従業員の雇用を維持するために、廃業ではなく会社売却を選ぶ経営者は少なくありません。事業譲渡では、従業員の退職や異動などが必要になる場合があるため、買い手と売り手、従業員の三者間で協議をしましょう。やむを得ず従業員を退職してもらう必要があるときは、正しい手順を踏むことが大切です。

 

 

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