経営改善
2022/07/14
経営計画書の書き方はシンプルではありますが、内容に一貫性がなかったり具体性に乏しかったりすると、十分に役割を果たすことができません。
そもそも経営計画書は、会社をどのように経営するのかを示すもので、作成は義務ではありません。
しかし、経営計画書を作成せずに経営者の頭の中だけでイメージすると、潜在的なリスクがなかなか見えず、トラブルが起きるリスクが高まります。
目標、目的意識をもって経営するためにも、適切な内容の経営計画書を作成しましょう。
ここでは、経営計画書の書き方のコツや内容などについて詳しく解説します。
目次
経営計画書とは、会社理念や基本方針、行動方針、戦略、目標などを記載する経営の計画書です。
経営理念を実現するために取るべき基本方針と行動指針を明確にし、5~10年や3~5年、1年の計画を考えます。
経営計画書の作成は義務ではありませんが、作成することにはさまざまなメリットがあります。
目的意識を持って作成するためにも、経営計画書を作成すべき理由やメリットについて詳しく見ていきましょう。
経営計画書を作成すると、経営者の頭の中が整理され、目的意識を持って経営しやすくなります。
目標を達成するために取るべき行動が明確になれば、そのリスク要因も明らかになるでしょう。
目標を絶対に達成できる、必ずうまくいくという思考が改善され、経営者として成長できるかもしれません。
会社の経営理念を従業員に伝えるだけでは、今ひとつ浸透しないことが多いでしょう。
これは、その理念に基づいて行動すべき理由がわからないためです。
経営理念に基づいて行動すべき理由の根拠となるのが会社の目標です。
会社の目標を具体的かつ論理的に伝えられることで、従業員が一丸となって会社に貢献できるようになる可能性が高まります。
会社を支えているのは経営者だけではなく、現場の従業員やその管理職も会社の利益に貢献しています。
そのため、従業員が経営者の経営計画を理解できるかが会社の未来を左右すると言っても過言ではありません。
経営計画書の内容は、机上の空論ではなく、現実的・実践的であることが前提です。
経営計画書の内容に基づいて業務・経営を行うため、経営計画書の内容に問題があれば会社の利益が損なわれる恐れがあります。
経営計画書という書面に頭の中の考えや目標を落とし込むことで、自分の考えの問題点に気づき、その結果現実的な経営計画を立てられるようになります。
経営計画書には、長期・中期・年度の3つの種類があります。それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
長期間の計画は、5〜10年の経営計画を立てます。
対象期間が長くなればなるほどに現実的・実践的な計画を立てることが難しくなります。
例えば、新型コロナウイルス感染症を5年前に予期することは不可能です。
しかし、リスク要因として経営計画に盛り込むことは可能でしょう。
社会情勢や世の動向などの変化まで加味しつつ、5~10年の経営計画を立ててみてください。
中期の計画は、3〜5年後を見据えた経営計画です。
1年目は十分な利益を得られなくても、2年目や3年目は右肩上がりになるケースが少なくありません。
最初の5年は会社の経営を安定させるために重要な期間のため、より入念に経営計画書を作り込みましょう。
ビジネスモデルに問題がある、リスク要因を取り除けていない・対策できていないといった場合は、利益が伸び悩む可能性が高まります。
経営計画書を作成する際に、リスク要因の把握・対策の立案、ビジネスモデルの再確認などを行いましょう。
年度の計画では、1年間の経営計画を立てます。
短期的な目標は、現在の状況や社会情勢などを踏まえ、現実性を最重視して立てることがポイントです。
想定よりも利益を得られなくても、即座に方針を転換することは難しいでしょう。
また、方針を転換しても効果が出るまでに時間がかかり、すぐに1年が過ぎてしまいます。
そのため、年度の計画は現実的・実践的を最重視して立てることが大切です。
経営計画書を作成する際は、書く前に書き方のコツを確認しておきましょう。
内容が不十分だと、経営計画書の役割を果たすことができません。
経営計画書の書き方のコツは次のとおりです。
経営計画書は、経営者のメモではなく従業員も確認するため、誰もが見やすい書式で書きましょう。
項目に分けて書くのはもちろん、2~3行に1回は改行を入れる、重要なところは太字にするといった工夫も必要です。
社員1人ひとりの役割が明確になるように、経営計画書を作成しましょう。
まずは、部署別に役割を反映させて、その中で必要に応じて社員1人単位に落とし込みます。
部署単位での落とし込みで十分な場合もあるため、ケースバイケースで作成しましょう。
経営計画書は複数の項目に分かれており、それら全てが繋がっているのが前提です。
例えば、経営理念と基本方針、行動方針は繋がっていなければなりません。
また、目標についても行動指針などを踏まえて行動すれば達成できるものに設定します。
一貫性がない経営計画書は、適切とは言えません。全ての項目が繋がっているか、一貫性があるかを確認しましょう。
経営計画書には、数字を積極的に使用する必要があります。
言葉だけでは具体性に欠け、社員が取るべき行動が今ひとつ伝わりません。
目標を数値化するのはもちろん、目標を達成するために達成すべき指標「KPI」も設定しましょう。
経営計画を立てるうえで、ある業務にだけフォーカスを当てる場合があります。
しかし、その業務以外にも見直すべきポイントがあるはずです。
作成することで会社全体の課題が明確になり、それを解決するために取るべき行動が明確になる経営計画書であることが前提です。
経営計画書は、複数の項目を立てて作成します。記載する項目と書き方のポイントについて詳しく見ていきましょう。
経営理念とは、会社の目指すところとその結果を示すものです。
経営理念を実現することが会社の最終目標であり、これを達成するために必要な考え方や行動を基本方針と行動指針で示します。
例えば、「製造業界にイノベーションを起こし、日本を代表して世界に変革をもたらす」という経営理念を掲げる場合、イノベーションを起こせるような事業を行う必要があります。
経営理念には、社員のモチベーションアップや事業内容に適した人材の確保など、さまざまな効果が期待できます。
よくある経営理念では注目されにくいため、必要に応じてユニークな要素を取り入れるのもよいでしょう。
基本方針とは、経営理念を実現するための会社の考え方や方向性のことです。
経営理念を具体化したものであり、商品・サービス。会社、顧客、社員、社会などに細分化して記載します。
行動指針とは、経営理念を実現するために社長・社員が取るべき行動を定める項目です。
具体的な行動に落とし込むためには、経営理念の理解が欠かせません。
論理的思考により、経営理念を実現するために必要な行動を考えましょう。
戦略は、目標を達成するためのシナリオです。
一方、戦術は戦略を実現するための手段を指します。
そのため、戦略と戦術はセットで考えなければなりません。
会社全体の戦略や商品・サービス展開の方法、マーケティング戦略、営業戦略など、さまざまな項目に細分化します。
また、忘れてはいけないのが戦略の実行に必要な人員の確保です。
どのように人員を確保するのかを示す「人材確保の戦略・戦術」も考えましょう。
それぞれの目標と課題を明確にしたうえで、適切に戦略・戦術を考えることが重要です。
収支計画は、3~5年の売上や利益などの目標を立てます。
目標を達成するために必要な投資の種類、金額、必要な人員などに細分化して作成しましょう。
収支計画の具体性に乏しい状態では、必要な事業展開や戦略が見えてこないため、経営計画書の他の項目に影響が及びます。
収支計画は、現実的でありながら頑張れば達成できる理想も取り入れることがポイントです。
行動計画は、これまでに作成した経営理念や基本方針、戦略・戦術などをもとに、具体的にどのように行動するのかをスケジュールに落とし込んだものです。
1年単位、月度単位で行うべきことを考えましょう。
スケジュールに落とし込む際は、工数を加味する必要があります。
短期間で無理な計画を立てると、その内容に問題が起きるリスクが高まります。
例えば、顧客獲得数に対してスケジュールが短すぎる場合、とにかく契約させようとすることで会社の評判が悪くなったり、現場の環境が悪化したりするでしょう。
経営計画書は、経営理念や基本方針、行動指針などを定め、短期・中期・長期における会社の経営計画を記載するものです。
経営計画書の内容に沿って経営するため、内容に問題があれば会社の損失に繋がるでしょう。
経営計画書の内容は、網羅的で具体性があり、なおかつ妥当性にも優れていなければなりません。
今回、解説した内容を参考に、経営計画書を適切に作成しましょう。
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