M&A
2018/11/22
ある売手経営者のお話です。
先日、最終合意契約書の準備をしている際に、売主の経営者から顧問税理士から売却をやめておいた方がいい、と言われたから、売却すること自体やめにしますと連絡がありました。
実務を行っている中で、売手側、買手側でM&Aに関してある合意した段階で、売手側の税理士が価格に関して意見を言うわれることがたまにあります。
その結果、売手側の経営者の考えが変わり、譲渡価格を高くしたために交渉自体が破談になることもありました。
逆に買手の弁護士がその条件では買うのはリスクがある、ということを言って交渉が破談になったこともあります。
あなたはM&Aの交渉の途中に顧問税理や顧問弁護士から助言があった場合にどのような判断をしますか?
ある意味、M&Aの実務を数多く経験しているアドバイザーや仲介会社からすれば、「M&Aあるある」の1つかもしれません。
売手側と買手側で価格面など大筋の合意がなされている中、顧問税理士や対象会社に関わっている士業の先生方の意見で状況が全く変わってしまうことはよくある話です。
最終的に決断をするのは、経営者なので、その判断で後悔がなければ問題はありませんが…
一般的にM&Aを行う中で、価格や条件面については、ご相談を受けて依頼主(売手/買手)と何度も打合せをする中で、納得できる結論(条件)を出した上で相手探しがスタートします。
最後の最後で条件面が変わってしまえば、現在に至るまでの交渉はすべて振り出しに戻ります。
もし最後の最後で第三者から条件面について助言があった場合に、今まで納得して進めていたことを覆してまで、その条件に拘る必要があるのでしょうか?
どれほど、その条件というものが経営者にとって優先される事項なのか?
一旦、冷静になり、
「再度この決断が正しかったのか?」
「何を最優先で求めているのか?」
など、考え直すこと自体は良いことかもしれません。
その上で冷静に判断することをお勧めします。
この第三者からの助言でよくあるのが、譲渡代金が高いか安いかという議論です。
M&Aを行う上での大前提として
会社の評価は決算書だけではできない
ということを認識しておく必要があります。
事業の評価は相手(市場)から評価されるものであり、自分自身が評価できるものではない。
つまり、決算書上で判断される譲渡代金は参考にならないとも言えます。
そんなに簡単に買手企業は見つかりません。
このことは最低限、認識しておく必要はあるでしょう。
仮に最後の最後で、価格面に関する助言で考えを変えるのであれば、1つの判断基準として現在に至るまで(ご相談から相手と面談をして合意に至るまで)に、どの程度の時間を有したか、仮に、3カ月以内であれば他の買手企業もより良い条件で手を挙げてくれるかもしれません。
仮に、3カ月以上経過している場合は、次の相手を見つけることにかなりの労力を費やすことになる可能性が高いです。
最後の最後で、条件を変えることは賢明ではありません。
もし希望金額と譲渡代金に開きがある場合は、買手企業を探す前に顧問税理士などに事前に 確認を取ることをお勧めします。
納得した条件で買手企業を見つけることが、会社や事業をスムーズに売却する方法です。
最後に決断をするのは経営者です。
ご自身の中で、何を優先して最終的には何を犠牲にしてもいいのか、判断の基準をしっかりと持っておきましょう。
それがM&A成功への第一条件です。
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