M&A
2020/04/02
M&Aの相談先は、M&A仲介会社とM&Aアドバイザーが一般的に知られていますが、最近はM&Aマッチングサイトも選択肢の1つになっています。
M&Aマッチングサイトは、人と人を繋げるのではなく、企業と企業を繋げます。ここでは、M&Aマッチングサイトの上手な利用方法や国内サイトの特徴を比較解説していきます。
目次
近年、M&Aの件数は右肩上がりに増加し続けており、2020年もM&Aの件数が増加することが予想されます。新型コロナウイルスの影響による収益減少に苦しむ企業が協力し合う形で、M&Aを実行するケースも出てくるでしょう。
事業を増やしてリスク分散したり、弱点を補う形で吸収合併したりすれば、今回のような事態にも対応できます。また、現代ではITの導入が急務のため、自社で導入や開発が難しい企業はM&Aが1つの解決策となるでしょう。
M&Aの相談先で真っ先に思い浮かべるのがM&Aアドバイザーと仲介会社ではないでしょうか。まずは、それぞれの違いを詳しくみていきましょう。
M&AアドバイザーはFA(ファイナンシャル・アドバイザー)とも呼ばれ、依頼主の利益を最大化する方針でM&Aの計画立案や交渉、クロージング、契約書作成などをサポートします。売り手と買い手のいずれかに協力する形のため、依頼主だけが手数料を支払います。
つまり、売手側、買手側のどちらかとしかアドバイザー契約をせず、依頼主の立場でサポートします。
M&Aアドバイザーに依頼するかどうかで結果が変わるため、売り手がM&Aアドバイザーに依頼した場合、基本的には買い手も同様に依頼することが基本です。
M&Aアドバイザーに依頼するメリットは、細かい条件を相手方と交渉しやすいため、結果として売手側は売却額が上がり、買手側はより良い条件で買収できる点です。
M&A仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち、円滑な成約をサポートします。買い手と売り手のどちらか一方をサポートするのではなく、あくまでも中立な立場でサポートすることが特徴です。
そのため、双方の条件をすり合わせたり、デューデリジェンスを行う専門家を紹介したりといったサポートに留まります。
M&A仲介会社のメリットは、双方の条件や状況を把握しているため、駆け引きに惑わされにくいことでしょう。
一方、中立の立場であるため、双方の利益や条件を十分に満してあげる必要があります。
売手側、買手側からすれば、どちらの立場でアドバイスをしてもらえているのかという不安もあります。
M&AアドバイザーとM&A仲介会社の違いを以下にまとめました。
M&Aマッチングサイトは、買い手や売り手をサイト上で募集して、双方の希望が合致すればM&Aに向けて交渉や手続きを進められる仕組みのプラットフォームです。買い手募集型と売り手募集型があり、サイトによって機能が異なります。
売り手企業がM&Aマッチングサイトに登録して、買い手を募集します。登録情報は、業種や地域、年商、従業員数、事業の概要や特徴などです。登録は匿名のため、M&Aを検討していることを世間や取引先に知られる心配はありません。
買い手は、登録情報をもとに売り手を探し、詳しい話を聞きたい場合はサイト運営者に連絡します。売り手の承諾を得られれば、買い手に対して社名や業績などの情報が開示され、お互いの意思確認や交渉などのプロセスが開始されます。
買い手が「買収したい企業の条件」をサイト上に登録し、売り手を募集します。売り手は、買い手の企業概要や要望、諸条件などを見て、売却希望の旨を買い手に伝えます。この段階では、買い手の詳しい情報が開示されていません。
買い手が買収の意向を示せば、詳しい情報が開示されてM&Aプロセスがスタートします
買い手募集型と売り手募集型のいずれも、M&AプロセスにM&Aアドバイザーが介入する場合としない場合があるため、事前に確認が必要です。
それでは、M&Aを取り扱う会社について、M&A仲介会社とM&Aアドバイザーに分けて、一例をご紹介します。
まずは、M&A仲介会社を2社ご紹介します。
日本M&Aセンターは、全国の地方銀行9割、信用金庫8割、会計事務所903所と提携しているM&A仲介会社です。幅広いネットワークによって蓄積してきた膨大なデータに基づき、マッチ度が高い仲介業務を行えます。365名のコンサルタントが企業と情報交換をしており、最新のデータの提供を徹底していることが特徴です。
報酬はレーマン方式を採用しており、譲渡企業の時価総資産額に応じた料金が発生します。
ストライクは、経営者の想いを実現する高い倫理観があり、会計・法務の専門家として客観的な視点でM&AをサポートできるM&A仲介会社です。
また、M&Aマッチングシステム「SMART」で、全国の譲渡案件を検索できます。
ストライクは全国に拠点があるため、遠く離れた地域への進出を検討している場合にも相談しやすいでしょう。
続いて、M&Aアドバイザリー会社を2社ご紹介します。
M&Aキャピタルパートナーズは、M&Aが主流ではなかった時代から大手企業へ働きかけ続け、M&A市場を牽引する存在となったM&Aアドバイザリー会社です。
着手金や月額報酬、企業評価レポートの作成が無料のため、交渉が長引くリスクに備えたい企業に向いているでしょう。また、ホームページ上に譲渡案件が豊富に掲載されているため、事前に確認したうえで相談できます。
パラダイムシフトは、ITに強いM&Aアドバイザリー会社です。近年、市場規模が拡大しているアフィリエイト事業におけるサイト売買や、業務効率化を目的としたITシステムの導入など、さまざまな目的のM&Aをサポートできます。
日々、変革しているIT業界のM&Aを有利に進めるべく、常に最新の情報を取得し、企業をサポートしています。
事業引継支援センターは、事業承継の問題を抱える中小企業や小規模事業者と、買い手を繋げるセンターです。
全国47都道府県に設置されているため、相談しやすいでしょう。M&Aにおける専門家の派遣や仲介会社、アドバイザリー会社に対する研修なども行っています。
TRANBIは、買い手募集型のM&Aマッチングサイトです。2020年1月時点では、M&Aマッチングサイトの登録ユーザー数No.1を誇ります。常時1,000件以上もの案件数があるため、平均15社もの買い手候補が集まることが特徴です。売り手の利用料は0円、買い手は成約金額の3%で、成約しなかった場合には料金が発生しません。
M&Aプロセスの開始後は、M&A専門家の中から最適な人物を紹介してもらえます。
Batonzは、日本M&Aセンターが運営している買い手募集型のM&Aマッチングサイトです。
買い手と売り手は本人確認による事前審査を徹底していたり、専門家がサポートしてくれたりと、安心して利用できる条件が揃っています。
ユーザー数は4万人以上で、価値のある事業を次世代へ速やかにバトンタッチできます。
ビズリーチ サクシードは、人材派遣会社のビズリーチが運営するM&Aマッチングサイトです。2017年にスタートしたサービスですが、すでに譲渡実績は1,000件を超えています。また、常時2,000件以上の公開案件が登録されているため、マッチ度が高い企業を検索できます。
買い手と売り手がお互いに検索し合えるシステムで、より効率的にマッチングできることが強みです。
M&Aマッチングサイトは、自分で案件の情報を検索して買い手や売り手をすばやく、そして多くの候補先を探せることがメリットです。仲介会社やアドバイザーを頼らず、自分でM&Aを進めたい場合に検討してみてください。
はじめてM&Aをされる方にとっては、案件交渉や進め方など、不明点も多くあるため、M&Aアドバイザーのサポートを受けながら相手先との交渉を行うことをおすすめします。
また、M&Aの売却額の相場を知るために使うのもおすすめです。自社に近い条件の譲渡案件を検索すれば、売却額の相場がわかります。ただし、経営者の考え方や気持ちによって売却額が変動するため注意が必要です。
M&Aマッチングサイトは、買い手や売り手を自分で探し、相手と直接交渉できるプラットフォームです。
M&Aプロセスの開始後に専門家のサポートを受けられるサイトを選びましょう。担当するM&Aアドバイザーの質によって、M&Aの結果が大きく変わります。
そのため、どのようなM&Aアドバイザーがサポートするのか事前に確認しておくことが大切です。本記事で重要なポイントを以下にまとめました。
M&Aマッチングサイトを上手に利用して、納得できるM&Aを実現しましょう。
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