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敵対的買収とは?友好的買収との違いやメリットとデメリットを徹底解説!

2019/10/26

会社を買収するとき、「友好的買収」と「敵対的買収」のいずれかの方法を選択します。両者の違いを把握したうえで、自社と買収希望先に合った方法を選ぶことが大切です。ここでは、敵対的買収とは何か、友好的買収との違いからメリット・デメリットまで詳しく解説します。


敵対的買収とは



敵対的買収とは、買収対象の会社の取締役会の同意を得ずに買収することです。株式を市場で買い集めたりTOB(株式公開買付け)で株式を買い付けたりして、買収対象会社の経営権を取得します。


買収対象となった会社としては、買収されることを希望していないのに買収を仕掛けられたことになるため、抵抗することがほとんどです。


買収対象会社の株式の3分の1もしくは過半数の獲得を目的として行われます。株式の3分の1の取得によって、株主総会の特別決議の拒否が可能になり、株式を過半数取得できれば、買収対象会社を子会社化できます。


友好的買収との違い



有効的買収は、買収対象の会社の取締役会の同意を得たうえで行われる買収です。通常はこちらの方法を選択します。事前の話し合いに基づいた内容でM&Aが成立するため、さまざまなメリットを得られます。


>> 株式の持ち分による株主の権利の違いとは


敵対的買収のメリット



敵対的買収はネガティブなイメージが強い方法ですが、メリットがあるからこそ行われています。それでは、敵対的買収のメリットについて詳しくみていきましょう。


利害関係を解消できる



友好的買収を進めようとしても、交渉がうまくいかず、買い手と売り手が対立するケースがあります。この場合、敵対的買収に切り替えれば、利害関係を速やかに解消できます。本質的な解決にはなりませんが、泥沼化すると消耗が大きくなるため、成功の見込みがある場合は検討した方がよいともいえるでしょう。


組織文化を速やかに一新できる



組織改革には、組織文化の一新が必要です。しかし、長年にわたり形成されてきた組織文化は簡単には一新できません。友好的買収の場合、買い手と売り手の足並みを揃えて新たな価値を生み出していくことになりますが、それでは組織文化の統合や改革に時間がかかりすぎる恐れがあります。


敵対的買収であれば、経営陣を刷新できるため、V字回復のチャンスを得られるのです。これは、買収対象会社の株主にとってメリットと言えます。


コストを抑えられる



市場で対象会社の株を購入すると、株価の上昇を招きます。その結果、買収にかかるコストが上がり、買収のメリットに対してコストの方が高くなる恐れがあります。


敵対的買収であれば、指定した価格で株価を取得できるうえに、買収する株式の数に制限をかけられるため、不要な株式まで取得してしまう事態を防げるのです。


敵対的買収のデメリット



敵対的買収を検討する際には、デメリットを十分に確認が必要です。結果的にメリットよりもデメリットが上回り、ダメージを受ける恐れがあります。敵対的買収のデメリットは次のとおりです。


世間からのイメージが低下する



敵対的買収は、その名のとおり買収先に敵対した形で買収するため、世間からのイメージはよくありません。最近では、半沢直樹の影響もあり、敵対的買収がどのようなものなのかを理解している人が増えてきています。


企業イメージが低下すれば、売上に直接的なダメージを受けるでしょう。


買収先の従業員が退職する



敵対的買収の場合、買収対象会社の経営陣のみならず従業員からも反感を買う可能性があります。M&Aでは、従業員の獲得も目的となるため、従業員が退職すれば十分なメリットを得られなくなります。


また、自社の従業員からも反感を買う可能性があるでしょう。敵対的買収の必要性を自社の従業員にも丁寧に説明することが大切です。


そもそも成功率が低い



敵対的買収は、そもそも成功率が低い手法です。特に、知名度が高い会社は敵対的買収を仕掛けられやすいため、買収防衛策を講じているケースがほとんどです。無理に敵対的買収を進めた結果、自社が損害を追う可能性もあります。


>>コロワイドの大戸屋へのTOBについて考える/敵対的買収の事例


敵対的買収を防ぐ買収防衛策とは



敵対的買収を仕掛ける側も、仕掛けられる側も買収防衛策について知っておくことが大切です。敵対的買収を防ぐ買収防衛策の種類を詳しくご紹介します。


ポイズンピル




ポイズンピルは、新株予約券をあらかじめ発行し、特定の条件を満たした際に著しく安価あるいは無料で権利の行使が可能になるようにしておく手法です。買収する側の持ち株比率が下がるため、買収を防げます。


また、新株の取得にかかるコストが大幅に増えることで、買収を進められなくなり、買収側は無駄にコストを消費しただけになります。


なお、新株に譲渡制限をかけることで、買収者が他の株主から新株を買い取れなくなります。このように、ポイズンピルは成功すれば相手を消耗させる「毒薬」になるのです。


ホワイトナイト



ホワイトナイトは、友好的な第三者に買収を働きかけ、敵対的買収から身を守る手法です。結果的に自社を売却することにはなりますが、友好的な第三者に売却できれば、足並みを揃えたビジネス展開が可能になります。


敵対的買収をされるよりはマシという考え方ではなく、シナジー効果によって企業の繁栄が期待できる相手をホワイトナイトに選ぶことが大切です。


ゴールデンパラシュート



ゴールデンパラシュートとは、買収価格を上げることで、買収にかかるコストを増大させ、結果的に敵対的買収から身を守る手法です。例えば、経営陣の退職金を高額に設定する方法があります。敵対的買収で経営陣が退職すると同時に従業員がリストラされると、経営陣だけが高額な退職金を得られることで、企業のイメージが大きく低下します。


このような問題が起こることは買収側としては大きなリスクなため、敵対的買収に対する意欲を低下させられるのです。


ティンパラシュート



ティンパラシュートは、買収に伴い解雇される従業員に多額の割増退職金を支払う仕組みを設定して、買収の意欲を削ぐ手法です。従業員の退職金額は取締役会の決議だけで変更できるため、株主総会の承認が必要な役員の退職金額の変更と比べて実施しやすいでしょう。


プット・オプション



プット・オプションは、そのときの市場価格に関係なく、あらかじめ決めておいた価格で売却できる権利のことです。プット・オプションを持っておくと、株式の買取や弁済を請求できるため、敵対的買収が完了した後に買収側は多額の資金が必要になります。そのため、敵対的買収に対する意欲を削ぐことが可能です。


チェンジ・オブ・コントロール



チェンジ・オブ・コントロールは、経営権の移動が生じた際に、契約内容に制限をかけたり当事者によって契約を解除したりできるようにする規定のことです。チェンジ・オブ・コントロールの影響で敵対的買収後に仕入れ先や販売先の契約が解除されると、買収の意義が失われるほか、事業継続が困難になる恐れがあります。


そのため、場合によっては敵対的買収を諦めざるを得なくなります。


焦土作戦



焦土作戦とは、自社でもっとも価値が高い事業部門や資産、子会社などを第三者に譲渡、あるいは分社化して、自社の魅力を意図的に損ねさせる方法です。敵対的買収を行ってまで取得する価値がない企業に成り下がることで、買収者の意欲を削ぎます。


ただし、株主や監査役による差し止めのほか、株主代表訴訟のリスクがあるため、安易に行える方法ではありません。


敵対的買収の事例



それでは、敵対的買収に成功した事例と失敗した事例をご紹介します。


伊藤忠がデサントを敵対的買収



伊藤忠商事がスポーツメーカー大手のデサントに敵対的買収を仕掛けました。本来、1964年ごろから業務提携をしていた両社ですが、デサントの経営悪化による自社への影響を鑑みて、デサントの経営陣を刷新すべく敵対的買収を決断しました。


デサント側は反発しましたが、結果的に敵対的買収が成立しています。


王子製紙が北越製紙の敵対的買収に失敗



製紙業を営む王子製紙は、同業の北越製紙に対して敵対的買収を仕掛けました。目的は、業界首位の地位を確固たるものにすることです。


北越製紙は敵対的買収に反発し、三菱商事を引受先として第三者割増増資を行い、経営統合を防ぐ手立てを講じました。その結果、敵対的買収の阻止に成功しています。


スティール・パートナーズによる明星食品の敵対的買収の失敗



アメリカの投資ファンドであるスティール・パートナーズが明星食品に敵対的買収を仕掛けました。当初、明星食品の創業者一族や村上ファンドから株式を大量に回収し、のれん分けを要求しましたが、明星食品は反発しました。


こうして、スティール・パートナーズによる敵対的買収が行われましたが、明星食品は同業の日清食品との友好的買収(いわゆるホワイト・ナイト)により、敵対的買収を阻止し、日清食品の傘下に入りました。


ホワイト・ナイトを選ぶならFAに相談する



敵対的買収をホワイト・ナイトで防ぐのであれば、豊富なネットワークを持つFAに相談することをおすすめします。豊富なネットワークからホワイト・ナイトになり得る企業を探してもらえるため、速やかに敵対的買収を防げる可能性があります。


>>中小企業のM&Aを成功させるポイントと相談相手の選び方


中小企業のM&Aでは友好的買収がメイン



敵対的買収について解説しましたが、M&Aでは友好的買収がメインに行われています。その理由は次の2つです。


中小企業は社長=株主



中小企業は社長が株主であり、譲渡制限を設けていることがほとんどです。また、社長は利益だけを重視するわけではないため、敵対的買収を受け入れるケースはほとんどありません。敵対的買収の成功率は非常に低いため、友好的買収を選ぶことが大切です。


友好的買収によるシナジー効果の発揮



シナジー効果を発揮するためには、友好的買収を選ぶ必要があります。敵対的買収で買収先の従業員が退職したり取引先との関係が切れたりすれば、シナジー効果を得られないばかりか事業の存続が危ぶまれるでしょう。


シナジー効果を得たいなら、まずは友好的買収を選ぶべきと言えます。


>>M&Aでシナジー効果を発揮するポイントとは


まとめ



敵対的買収は、買収先の会社の同意を得ずに行うため、世間や従業員から反感を買う可能性が高い方法です。また、数々の買収防衛策が存在するため、結局買収できずにコストだけ無駄に消費して終わる可能性があります。シナジー効果を得るためにも、友好的買収を前向きに検討しましょう。


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