経営改善
2022/02/23
マーケティング戦略には、さまざまな種類があります。それぞれの種類を理解し、自社に合った方法を選ぶことが重要です。
マーケティングは「商品を売るための仕組みづくり」であり、マーケティング戦略はその仕組みの作り方を表します。
自社に合ったマーケティング戦略を発見できれば、商品を大量に売るための仕組みを作ることができ、企業の収益性や安定性が高まるでしょう。
ここでは、マーケティング戦略の種類から実施の流れ、成功のコツなどについて詳しくご紹介します。
目次
マーケティング戦略は、中小企業だからこそ立てるべきものです。
中小企業は、利益を生み出すために投入できる資源が限られています。
やみくもに、さまざまな分野へ資源を投入しても、成功する可能性は低いでしょう。
限られた資源を特定の事業に集中し、一気に成長させる「集中戦略」です。
そのためにも、自社に合ったマーケティング戦略を立てる必要があります。
マーケティング戦略の立てる際は、現状分析や環境分析が欠かせません。
マーケティング戦略を立てる際は、ターゲットを定め、自社製品をどのように売るのか、どのような価値を提供するのか、どのような関係を構築していくのかを決めます。
このマーケティング戦略を立案する際には、次のフレームワークを活用しましょう。
PEST分析は、自社に影響を及ぼし得る外部要因が、将来的にどのような影響を及ぼすのかを予測するためのフレームワークです。
PESTは、「Politics(政治)」「Economy(経済)」、「Society(社会)」「Technology(技術)」の頭文字から成る言葉で、それぞれの側面から外部環境の変化を分析します。
政治や経済、社会の動向、技術の進歩などを考慮して、自社がどのような方針で経営すべきかを分析しましょう。
3C分析は、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つのCをもとに戦略を考えるフレームワークです。
自社や競合他社の市場における立ち位置を把握し、強みや差別化のヒントを得ることを目的としています。
例えば、類似商品を後発で展開しても、多額の収益を得ることは困難です。自社製品の強みや差別化できる要素が明確になれば、成果に繋がる販売戦略を立案できるようになります。
バリューチェーンとは、日本語で「価値連鎖」を意味します。
自社製品の開発過程において、競合他社に対する優劣性を明確化し、経営戦略の立案に活かします。
原料の調達から顧客への提供までの各プロセスにおいて、それぞれの強みと弱みを明確化することで、弱みをカバーするための戦略、強味を活かすための戦略を立案できるようになります。
価値の創造に直接関与する要素を「購買物流」「製造」「出荷物流」「販売・マーケティング」「サービス」に分解し、それぞれに間接的に影響を及ぼしている要素を「全般管理」「人事・労務管理」「技術開発」「調達活動」の4つに細分化します。
それぞれ詳細に分析することで、より密度の高い戦略を立案できるようになります。
5フォース分析とは、競争環境が生まれる要因を5つに分類し、分析することで収益構造を明確化させる手法です。
ここでいうフォースは日本語で「脅威」を意味します。
つまり、自社製品の脅威となり得る5つの要因を分析し、どうすれば市場でシェアを伸ばすことができるのかを考えます。
競争環境が生まれる5つの要因は次のとおりです。
これらの要因を分析し、脅威を排除する戦略を立案することで市場でシェアを伸ばせるでしょう。
SWOT分析とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(市場の機会)」「Threat(脅威)」の頭文字から成る言葉で、自社の強みと弱み、顧客、脅威を明確化し、分析することで経営戦略の立案に役立てる手法です。
調査範囲が広いため、経営戦略の大体の方針に基づいて調査する必要があります。
例えば、積極的に攻めるのか、まずは基盤を固めて守るのか、などによって調査すべき内容が異なります。
また、幅広い調査が必要になるため、それだけさまざまなタイプのメンバーを集めなければなりません。
例えば、営業担当者、エンジニア、商品開発部、経営層などが挙げられます。
マーケティング戦略のフレームワークを活用するとともに、適切な流れで戦略を立案することが重要です。
それでは、マーケティング戦略を立てるまでのステップについて詳しく見ていきましょう。
参入を検討している市場における競合他社のシェア率、主力商品、トレンド、顧客のニーズ、商品ごとの認知度などを調査します。
この市場調査が不十分だと、勝ち目がない市場に参入してしまったり、顧客のニーズを満たさない商品・サービスを開発してしまったりするリスクが高まります。
市場調査の主な種類は次のとおりです。
性別や年代、居住地などから市場を細分化し、顧客のニーズを明確化します。
例えば、「40代女性、専業主婦」、「美容に関心があり、購入するのは主にデパート。良い商品が見つかればドラッグストアでも購入する」など、属性や心理的要因、行動特性などを組み合わせます。
それぞれのグループが持つニーズに注目することで、より現実的な戦略を立案できます。
市場細分化のステップで分類したグループにおいて、自社製品・サービスのニーズ、購買力などで優先順位を定め、ターゲットを設定します。
複数のターゲットを設定する場合、異なる性質を持つグループであることから、それぞれ全く異なる戦略を立てることになります。
しかし、中小企業は複数のターゲットにアプローチできるだけの資源を持ち合わせていないことが多いため、ターゲットを絞り込むことになるのです。
将来的に収益化に成功した際は、次に優先度が高いターゲットにアプローチする戦略を立て、市場でのシェア拡大を目指します。
自社製品・サービスの市場における位置づけを知るために、ターゲットが商品・サービスを選択する際の判断基準や要素を調べます。
課題を解決するための商品・サービスなのか、競合他社の商品・サービスでは埋められない穴を埋めるための補助的な役割なのかなど、詳しい位置づけを知ることで、取るべき戦略が見えてくるでしょう。
マーケティングミックスとは、「Product(製品)」、「Price(価格)」、「Place(流通)」、「Promotion(プロモーション)」の4つのPを組み合わせることです。
例えば、製品の品質や独自性、ニーズなどに対して適正な価格を設定し、必要数を常に流通するための流通チャネルを確保します。
そして、ターゲット層の購買意欲を高めるプロモーションを検討します。
これらが密接に関連し合い、適切に噛み合うことで大きな効果が生まれます。
もし、製品の品質に対して高すぎる価格をつけてしまえば、その時点でどのようなプロモーションをしても十分な収益は見込めなくなるでしょう。
マーケティングミックスは、マーケティング戦略の立案において最重要なプロセスです。
マーケティング戦略を立案し、それに沿ってマーケティングを実行します。
どれだけ緻密な戦略を立てて実行しても、必ず目標を達成できるとは限りません。
戦略が間違っていた、予期せぬ新規参入で均衡が崩れた、社会情勢の変化でニーズが変化したなど、さまざまな要因でマーケティングが失敗します。
マーケティングが失敗した場合、そこで諦める必要はありません。
重要なのは、マーケティングが失敗したことを可能な限り早く察知し、分析・改善へ進むことです。
また、成功したときは、成功要因を分析し、さらに高い目標を掲げてマーケティングを実施します。
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」を繰り返すことで、適切なマーケティングを行えるようになるでしょう。
マーケティング戦略を立てる際は、次のコツを押さえましょう。
テレビやラジオで流すCM、新聞広告や雑誌広告などは、不特定多数に対して同じ方法でアプローチするマーケティング施策です。
しかし、消費者のニーズが多様化している現代では費用対効果が低いため、中小企業が積極的に実施すべきとは言えません。
市場シェアを伸ばすには、消費者が求めることを正確に把握し、それに応える製品・サービスを開発する必要があります。
そして、消費者に効果的に届くプロモーションを実施し、知名度を高めることが需要です。
消費者1人に合わせたマーケティングには、顧客データを効率的かつスピーディーに集める必要があります。
ターゲティングに失敗したときは、速やかに新たにターゲティングを行わなければなりません。
顧客データを集めるのが遅れると、それだけ分析・改善も遅くなります。
チラシや店内のPOPに載っているQRコードからメールマガジンへの登録へ誘導し、より詳しい顧客データを入手する方法や、特典によって顧客データの入力を促す方法があります。
顧客が離れると、企業の収益は安定しません。
継続的なフォローアップ体制を設け、顧客満足度を常にモニタリングして、自社のファンであり続けてもらうことが重要です。
カスタマーセンターを設置する、SNSで評判をつぶやいている顧客にカスタマーセンターを案内する、製品のメンテナンス情報を提供する、ニーズに合った関連商品の情報を提供する、などの方法があります。
マーケティングはスピード感が重要です。
アナログなマーケティングでは、1つの行動に時間がかかりすぎてしまいます。
マーケティングツールを積極的に導入し、計画・実行・評価・改善をスピーディーに繰り返すことができる環境を整えましょう。
例えば、顧客の購買履歴や属性などを管理するツールを導入することで、ターゲティングやアフターフォローに役立ちます。
マーケティング戦略を立てる際は、各フレームワークを有効活用しましょう。
自社製品・サービスの位置づけを知る、顧客データから適切にターゲットを定める、製品の品質に対して適切な価格をつける、ターゲットに合わせたプロモーションを実施するなど、さまざまな施策を正しく実施することで、市場シェアの拡大に繋がります。
今回、ご紹介したマーケティング戦略に関する情報を参考に、自社製品・サービスが売れる仕組みを作りましょう。
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