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会社売却の検討段階

M&Aにおけるのれん代とは?

 

M&Aでは企業の取得原価を、買収される企業の資産と負債の時価で評価します。

 

 

純資産や負債に計上されていない特許権など法律上の権利をはじめとする無形資産についても、価値を合理的に算定できるときには計上されるのが基本です。

 

 

もっとも、企業としてのブランド力や従業員の能力などの価値については、評価がされたとしても、金額として合理的に算定するのが難しいものがあります。

 

 

そこで、会社の信用力やブランド力、従業員の能力などを目に見えない収益力を、のれん代として計上するのが一般的です。

 

のれん代には2種類ある

 

M&Aにおいては、買収した金額から企業の取得原価(時価純資産)を差し引いた部分を企業の信用力、収益力、ブランド力など、取得原価+αとして評価して買収するのが一般的です。

 

 

つまり、その「+α」の部分がのれん代なのです。

 

 

買収価格=買収先企業の時価純資産+α

 

 

「α」の部分が買手企業が売手企業の信用力、ブランド力、人材など、決算書には表れない、買収後のシナジー効果への期待値として時価純資産に上乗せして買収します。

 

 

これは「+α」が【純資産<買収金額】の際に「正ののれん」として、買手企業の貸借対象表にのれん代として計上されます。

 

 

では、【純資産>買収金額】の場合はどうなるのでしょうか?

 

 

この場合は、「負ののれん」として会計処理されます。

 

 

「負ののれん」の会計処理については、中小企業の場合は、取得原価としての純資産と買収金額の差額を特別利益として計上するのが一般的です。

 

具体的なのれんの評価方法とは

 

日本では昔から、のれんを守る、のれんを引き継ぐ、のれん分けといった風にその企業やお店の伝統、ブランド力、顧客や取引先からの信頼に重きが置かれてきました。

 

 

もっとも、そののれん代がいくらなのかの評価はとても難しく、金額での評価がしにくく、主観も入りやすいものです。

 

 

M&Aにおけるのれん代の評価方法としては、DCF(Discounted Cash Flow)法が代表的です。

 

 

DCF 法とは企業価値算出にあたり、5年から10年の中期の事業計画を立て、フリーキャッシュフローを割引率で現在価値で評価した後、割引率で現在価値を加える方法といった方法です。

 

 

ですが、実際のM&Aの場面では当事者同士で交渉して合意に至った合意価格が採用されることが少なくありません。

 

>>M&Aにおける決算書に頼らない企業価値の見方とは

 

財務諸表におけるのれん代

 

のれん代が財務諸表において、どのような位置づけになるかというと、伝統や信頼のあるブランド力であるのれんによって収益力が向上するとみなし、損益計算書の売上と利益の上昇として計上されます。

 

 

一方、貸借対照表にはどのように反映されるかというと、通常は、のれん代は客観的な評価が難しいので、貸借対照表には計上せず、簿外資産として保有する形になります。

 

 

ですが、M&Aの場合は、こののれん代が買い手の貸借対照表に計上されることになるのです。

 

 

これまでは価値が不明確だったものが、M&Aにより、企業が守り、築き上げてきたのれんの価値が顕在化され、買収後は買手企業の貸借対照表の「無形固定資産」に計上されます。

 

>>業買収の価格はどのような決め方をするのでしょうか?

 

のれん代の減損について

 

もっとも、会計制度においては、貸借対照表の資産の部には価値のあるものしか載せてはならないという厳格なルールがあります。

 

 

そのため、投資の成果が上がらず、投下資本の回収が不可能となると見込まれた場合には、将来の回収不能額を損失として計上しなければなりません。

 

 

のれんの減損損失の計上がどのように行われるかというと、実務上はケースバイケースとなっています。

 

 

経営陣としては投資の失敗として減損を認めたくない一方、会計ルールを公正に守りたい監査法人は減損を計上させたいことから、両者のせめぎ合いが生じます。

 

のれん代の償却は採用する会計基準で異なる

 

のれん代の会計処理方法は日本独自の会計基準と、近年、大手企業を中心に採用が進んでいる国際会計基準(IFRS)で違いがあります。

 

 

日本の会計基準では、のれん代は評価が難しい企業価値の超過収益力との位置づけです。

 

 

そのため、競争が激しくなるにつれ、その価値が減価する費用性資産として扱います。

 

 

一方、国際会計基準(IFRS)では、のれん代は将来の収益力によって価値が変動する資産だと位置づけます。

 

 

そのため、規則的な減価償却は行わず、収益性の低下による回収の可能性で評価するのが一般的です。

 

 

M&Aをした企業がいずれの会計基準に則るかによって、買収後の利益に与える影響は異なってくるわけです。

中小企業の場合、「のれん代」は税法上、5年以内に均等償却するものとされています。

 

【事例】負ののれんを利用した企業拡大戦略

 

この国際会計基準(IFRS)と「負ののれん代」の財務効果をうまく利用して企業成長を続けた会社があります。

 

 

近年、M&A業界においてもすごい勢いで買収を繰り返し成長をしてきた「ライザップグループ」です。

ライザップは「負ののれん」の効果で企業の利益の拡大をしてきました。

 

※あくまでも「負ののれん」を利用した利益拡大がライザップグループの戦略だったのか、M&Aを積極的に行った結果として「負ののれん」の効果で利益の拡大につながったか、この議論はここでは控えさせて頂きます。

 

 

ライザップグループでは、業績不振の企業を積極的に対して積極的な買収を繰り返し、結果として国際会計基準(IFRS)の処理に従い、「負ののれん代」を営業利益として計上してきました。

 

 

多くの人が、ライザップの広告ブランド戦略と実際の財務諸表から見える利益の拡大(成長)から、急成長している優良企業であると認識したはずです。

 

 

しかしながら、結果として買収した後の企業の改善が思うように進まずライザップの成長は一旦小休憩となっているのが今の現状です。

 

 

この事例から得られる教訓として、M&Aによる企業拡大、利益の最大化は買収した後にどのような戦略で買収先の企業を成長させていくかが重要だということです。

 

 

のれん代による様々な財務効果は付属的なものであり、本来の目的を見失うべきではないでしょう。

 

 

そのためにも買手企業として明確なM&A戦略、企業戦略の策定を行った上で企業買収を進めていくことをお勧めします。

M&Aをすること自体が目的となってはM&Aは結果として失敗に終わる確率は高くなります。

 

まとめ

 

のれん代とは、M&Aにおける企業としてのブランド力や従業員の能力などの価値について決算上(財務上)では評価がされない数値化されないものを、金額として合理的に算定したものです。

 

 

一般的には、【買収金額-純資産=のれん代】という計算で表します。

 

 

のれん代には「正ののれん代」と「負ののれん代」の2種類があり、財務上ではそれぞれに処理の方法が異なります。

 

 

正ののれん代の場合は、中小企業のM&Aにおいては5年での均等償却が一般的です。

負ののれん代の場合は、中小企業のM&Aにおいては特別利益など営業外での収益として計上されるのが一般的です。

 

 

あなたの会社ののれん代が知りたい方は、是非ミツカルの企業価値診断サービスをご利用ください。

 

 

あなたの会社の決算書の純資産から企業価値評価の参考譲渡代金を差し引いた金額がプラスであれば「正ののれん代」として認識してください。

マイナスであれば「負ののれん代」として認識してください。

 

 


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