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M&Aの基本合意契約書の内容とは?

2017/01/14

基本合意書とは、売手企業と買手企業の間で、一定の条件について現時点(基本合意契約を締結した時点)において双方で合意したことを確認するための契約書です。

 

 

基本的には、トップ面談終了後に、お互いに更に話を進めていく際に締結されます。

 

 

また、M&A特有の呼び方で基本合意契約書をMOU(Memorandum of Understanding)と呼ばれることもあります。

 

 

NDA(秘密保持契約書)やLOI(意向表明書)などM&A業界は他の業界とは違った特有な呼び方が好きみたいですね…

 

 

それでは詳しく基本合意契約書について見ていきましょう。

 

 

M&Aの基本合意契約書とは?

 

M&Aの基本合意契約書は譲渡企業と譲受企業の両者が、M&Aに向けての合意形成にあたり、基本的な諸条件について現時点で合意が取れている事項について定めたうえで、お互いで契約を締結する契約書類です。

 

 

M&Aの基本合意契約書を締結することで、譲渡企業と譲受企業がこれまでに交渉を行い、話し合いによって合意に至った内容の整理と意思の確認および明確化ができます。

 

 

正式なM&Aを実行するまでに行いたいデューデリジェンスをはじめ、最終契約や決済をスムーズに進めるために重要な位置付けとなります。

 

 

口約束や簡単な資料としてまとめるのではなく、契約書のスタイルを採り、契約を結ぶことで、双方に合意内容の実行を求める拘束力が高められる点がメリットです。

 

>>会社売却の方法と具体的な進め方とは?

 

 

M&Aの基本合意契約書の内容

 

M&Aの基本合意契約書にはどのような内容が定められるのでしょうか。

一般的な諸条件は次のようなものです。

 

 

・株式譲渡、事業譲渡などM&Aの取引形態について

・譲渡価格について

・M&Aに向けた今後のスケジュールについて

・デューデリジェンスに対する協力義務について

・独占交渉権の付与について

・その他の合意事項について

 

 

M&Aの基本合意契約書を締結した時点で予定しているM&Aの手法や対価・対象・役員の処遇といった基本的な条件、支払いのタイミング、スケジュールを定める他、デューデリジェンスへの協力義務や独占交渉権や秘密保持事項、費用負担、裁判管轄、準拠法などを定めるのが一般的です。

 

 

この点、M&Aの基本合意契約書はデューデリジェンスを行う前に締結されるため、デューデリジェンスの結果によっては条件の変更が必要になるかもしれません。

 

 

そのため、独占交渉権や機密保持といった一部の重要な条項を除き、法的拘束力を持たせないスタイルが一般的です。

 

 

独占交渉権とは

 

法的拘束力を発生させたほうがよい独占交渉権とは、譲渡企業が譲受企業に対して一定期間にわたり、排他的な交渉権を与えるという権利です。

 

 

譲受企業がM&Aの基本合意契約書を締結したい一番の目的として、独占交渉権の獲得が目指されることが少なくありません。

 

 

譲渡企業は独占交渉期間中は、他の候補先との接触が禁止されることになります。

 

 

独占交渉期間は双方の合意で定めることができますが、一般的には2ヶ月~6ヶ月となっています。

 

 

独占交渉権は譲受企業にとっては、競争相手を駆逐できるメリットがありますが、譲渡企業から見れば、他に有力な候補先やより自社にメリットが高い候補先が現れても交渉ができなくなるデメリットが生じます。

 

 

そのため、候補先が複数挙がっている場合や現在の候補先になんらかの不信感や不利な点を見出している場合には、独占交渉権を付与するか慎重に検討しなくてはなりません。

 

 

デューデリジェンスとは

 

デューデリジェンスとはM&Aにおけるリスクの有無や、シナジー効果が得られるかをリサーチするために行われる専門家などを利用した調査、分析のことです。

 

 

法務や財務、税務、ビジネスなど幅広い範囲において、それぞれ、弁護士や公認会計士、M&Aの専門事業者などに依頼して行われるのが一般化しています。

 

 

双方で話し合いを行ってデューデリジェンスの範囲を定めておくのが基本です。

 

 

財務表を何年分見せてほしいといった事項を定め、デューデリジェンスへの協力を求めます。

 

>>会社売却の時に行うデューデリジェンスって具体的に何をしているのか?

 

 

基本合意契約書を締結する際の注意点とは

 

基本合意契約書は法定拘束力がありません。

 

 

これは売手企業にとっても買手企業にとってもメリットがあります。

 

 

基本的に基本合意契約書(MOU)を締結している時点で、買手企業は売手企業の詳細資料(財務内容及び事業内容)については確認しています。

 

 

よって、基本合意契約締結時に合意した合意内容が大きく変わるケースは少ないと考えられがちです。

 

 

しかし、M&Aに慣れている買手企業などは、法的拘束力がない基本合意契約書締結を安易に行ってしまう企業もあります

 

 

とりあえず大筋の合意は行い、詳細はデューデリジェンスをして価格交渉を行えばいいと考えているのです。

 

 

ある意味で法的拘束力のない基本合意契約書のデメリットかもしれません。

 

 

一般的に基本合意契約書が破棄されるケースとして

 

・デューデリジェンスにおいて問題があった

・デューデリジェンスをおこなった結果として当初合意していた価格を大きく下回る提示を買手から受けた

・当初の条件と大きく変わる点があった

 

こういった点が挙げられます。

 

 

売手企業側からすれば基本合意契約書の締結はあくまでも1つのステップでしかなく、M&A完了の道半ばという程度で認識しておきましょう

 

 

また、売手にとっては独占交渉権が買手企業へ寄与されますので、基本合意契約を締結してしまうと他の買手企業との交渉は一切できなくなります。

 

 

安易に基本合意契約を締結してしまったことで、結果として契約解除となり、数カ月の間、時間を無駄にしてしまったケースなども実際にあります。

 

 

こういったことが起こらないようにするためにも、トップ面談から基本合意契約に至るまでの過程は慎重な判断が求められます。

 

 

まとめ

 

M&Aの基本合意契約書には下記の事項が定められています。

 

 

・株式譲渡、事業譲渡などM&Aの取引形態について

・譲渡価格について

・M&Aに向けた今後のスケジュールについて

・デューデリジェンスに対する協力義務について

・独占交渉権の付与について

・その他の合意事項について

 

 

M&Aの基本合意契約書を締結した時点で予定しているM&Aの手法や対価・対象・役員の処遇といった基本的な条件、支払いのタイミング、スケジュールを定める他、デューデリジェンスへの協力義務や独占交渉権や秘密保持事項、費用負担、裁判管轄、準拠法などを定めるのが一般的です。

 

 

この点、M&Aの基本合意契約書はデューデリジェンスを行う前に締結されるため、デューデリジェンスの結果によっては条件の変更が必要になるかもしれません。

 

 

そのため、独占交渉権や機密保持といった一部の重要な条項を除き、法的拘束力を持たせないスタイルが一般的です。

 

 

基本合意契約自体には法的拘束力がないため、売手企業にとっては、少なからずリスクがある点も認識しておきましょう。

 

 

どの買手企業と譲渡の交渉を進めていくのか。

 

基本合意契約書の締結は、買手企業を選定する上で大きな決断が求められます。

不安があれば、トップ面談を再度行うなど基本合意締結へ向けて慎重な判断が売手企業側には求められます。

 

>>手企業が買手企業を選ぶ際のポイントとは?

 

 


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