M&A
2019/05/27
これまで経営してきた会社を売却すれば、会社の価値に見合った譲渡代金が手元に入ってくると思いがちです。
しかしながら会社を売却するにはいくつかの方法があり、どの方法で売却するかによって、売却時に必要となる費用や税金は変わります。
手もとに残る譲渡代金を多くするためにも売却するためにかかる費用や、税金の支払いについてもどういったものが費用や税金として発生するのかを知っておくことが重要です。
目次
会社を売ろうと決めたとしても、会社が売れないと話になりません。
どのような手段を選べば買い手がつくかを考える必要があります。
会社も広い意味で不動産の一つですが、戸建て住宅や分譲マンションなどとは違い、多くの人が欲しがる売り物ではないのは誰しも納得できるところでしょう。
そのため、会社を売却するというのは非常に難しいことで、経営者が独自に買い手を探すことは、知り合いの経営者に買って頂く以外は限りなく可能性は低いです。
当事者では難しいとなると、誰か買い手を見つけもらう必要があります。
この役割を果たしてくれるのがM&A仲介会社やM&Aアドバイザリー会社です。
一般的にM&A仲介会社やM&Aアドバイザリー会社に依頼しないことには、先に進むことはできませんので、仲介会社に頼んで買い手を見つけてもらう必要があります。
M&A仲介会社やアドバイザリー会社へ依頼した場合には報酬が発生します。
報酬には、買い手を見つけてもらいたいというお願いをする時点で必要になる着手金と、買い手を探す一定期間に必要な代金として継続的に費用が発生する、リテイナーフィーという報酬の種類があります。
また、売手と買手で譲渡が完了した際には成功報酬が別途発生します。
最近は着手金やリテイナー報酬を得ずに完全成功報酬を採用しているM&A会社も多いです。
それぞれにメリット/デメリットがありますので、自らの会社に合った報酬体系を選択することをお勧めします。
これらのお金はどれも決して安くはありませんし、合計するとかなりの金額になります。
これだけのお金を出してでも専門の仲介会社に依頼しないことには、会社を売りたくても買い取ってくれる先が見つからないのが実情です。
そのため、会社売却においては必要不可欠な費用となります。
>>M&Aにおける成功報酬型とリテイナー報酬型のメリット・デメリットとは
会社を売却するにあたって必要となる費用は、先述した着手金やリテイナーフィー、成功報酬です。
むしろ、経営者にとって分かりづらいのは税金の方だと言えます。
その理由は、会社を売却する方法は様々な選択肢があり、どの方法を選ぶかによって該当する税金が変わってくるからです。
具体的に見てみると、中小企業が会社を売却するにあたって最もよく用いられる方法は株式譲渡です。
中小企業の場合、経営者が筆頭株主ということが多いため、経営者の意思で発行株式のすべてを譲渡し、会社の売却ができてしまいます。
株式譲渡の場合には、筆頭株主という個人に対して課税されるのが特徴です。
課税額の計算の元になるのは、株式の売却価額から取得費(出資金や株式取得費)を差し引き、売却益が出た場合、復興特別税を含む所得税15.315%に住民税5%を足した、合計20.315%の税金を課すというものです。
ただし、株式譲渡によって会社を売却する場合、株式の売却価格と税務上の時価との差によって、追徴課税となる場合がある点で注意が必要です。
素人では手に負えない場合がほとんどですので、専門家である税理士に相談するのがいいでしょう。
事業を譲渡するという方法で会社を売却する場合においては、売却人は個人ではなく法人となりますので、法人税が適用されます。
法人税とともに、売却額に対しては消費税がかかるところが、株式譲渡した場合と税計算方法が大きく変わる点です。
税務上で事業譲渡という方法で売却するメリットとしては、資産の内容によっては非課税になる点です。
事業に利用していた土地は非課税になることによって税金を払わずに済む点が、事業譲渡という手法で売却するメリットと言えます。
その他、法人に対しての課税ですので、繰越欠損金の利用や他の事業との兼ね合いによる利益の圧縮など、譲渡代金に対して100%課税対象となる訳ではありませんので、会社の状況によっては事業譲渡の方がメリットがあるかもしれません。
税金に関しては、個人として株式譲渡を行い、所得税と住民税を払った方が安く済むのか、それとも事業譲渡という選択肢をとり、法人として税を支払うのか、どちらがより税金を支払う額が少なくて済むのかを、あらかじめ比較しておきましょう。
国としては、税金の申告漏れや法を逸脱した節税に関しては厳しく取り締まりを行っております。
無理な節税や脱税は犯罪になりますので、決められた範囲の中で適正な税金を納めるようにしましょう。
そのためも、株式譲渡と事業譲渡で比較検討し、税金の支払額も事前に調べた上で、売却方法を決めることが重要と言えます。
M&Aによって会社を売却する場合は、やはり専門家の協力が必要です。
どういった売却手法を選択するか。
税金の支払いは適正に処理をしてどの程度に抑えることができるのか。
会社や事業の売却はその専門であるM&A仲介会社やアドバイザリー会社に依頼し、売却後に支払う税金に関しては顧問の税理士に相談するなどして対応することが望ましいでしょう。
また、会社を売却するにも相当なお金が必要であるという覚悟は、経営者としてあらかじめ認識しておきましょう。
ご相談は無料です。お気軽にお声かけください。
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