M&A
2018/08/29
買手企業は売手企業から提出される資料を基に投資判断をしています。
よって、売手企業から提出される資料の信ぴょう性は投資判断に大きな影響を与えるのです。
目次
M&Aにおいて情報開示は非常に重要です。
基本合意契約書や株式譲渡契約書の中でも、提出する資料の信ぴょう性を保証させるという意味合いで表明保証があるくらいです。
この表明保証に違反があった場合は、
1.売買の前提条件が満たされず、代金の支払いを行う必要はない
2.契約自体を解除できる
3.補償請求を相手方に行うことができる
などを行うことができ、必ず最終合意契約書の中に明記されています。
それほど、売手側から出てくる資料は、買手企業からすれば投資を判断する上で、重要なものです。
売手側から提出される資料や情報が、不正確なものであれば、
お互いの信頼関係は崩れてしまい取引自体取りやめになるケースもあります。
それ程、売手側から提出する資料の信ぴょう性はM&Aでは重要視されているのです。
売手側が買手企業へ情報開示を行う際に抑えておくべきポイントが4つあります。
それでは個別に解説していきます。
先程もお伝えした通り、買手企業は売手側から提出される資料を基に、投資をするかどうかの判断を行います。
売手側から提出される資料が真実に基づいて作成されたものでなければ、買手企業は売手企業を正確に評価することができません。
よって、しっかりと企業として評価して頂くためにも、正確な数値や資料を提出することがまずは重要なのです。
4つのポイントの中で最も売主側の経営者が注意しなければならないのが、企業にとってのマイナス情報の開示のタイミングです。
このタイミングについては、最初に会社売却の依頼をした企業(以下、アドバイザー)との面談の際にすべて開示しましょう。
よくある話ですが、ある程度売手、買手双方で契約が成立しそうなタイミングで、マイナス情報を開示する売手経営者がいます。
これは非常に印象が良くありません。
買手企業側からすれば、今までに開示できるタイミングはいくらでもあったのに「なぜ?」という想いになり、「まだ他に隠していることがあるのではないか」と疑心暗鬼になります。
結果として買手企業が投資するかどうか、判断を迷わせることになるのです。
よってマイナス情報は最初に全て開示して、それでもなお売手企業に興味を持ってもらえる企業と、M&Aの話を進めた方が成約の確率はかなり上がります。
買手企業からすれば、マイナス情報を知って、なお売手企業に興味をもっているのですから。
マイナス情報は必ず最初に開示しましょう。
売手側が買手企業に提出する資料や情報にはしっかりと責任を持ちましょう。
提出した資料が実態と異なる場合は、その理由を明確に説明し、実際の数値を正確にお伝えしましょう。
決算書の内容1つとっても買手企業から説明を求められた時に、税理士に任せているから、
なぜその様な処理をしたか分からないと答える経営者も非常に多いです。
会社として提出している資料や根拠となる数値については、
しっかりと責任を持ち、内容についてもしっかりと回答できるように準備しておきましょう。
事前に数値に関する補足資料などを付けて買手企業へ提出すれば、質疑応答のやり取りも省くことができるので、
その辺りは依頼するアドバイザー会社と協力して資料作成を行ってください。
買手企業から求められる資料は小出しにせずに纏めて提出しましょう。
1つ1つ小出しに出すと何を提出していて何が提出できていないか分からなくなります。
そのやり取りで時間を取られることも非常にあります。
どうしても提出に時間を要する資料であれば、後回しにしても構いませんが、
その際もある程度纏めて資料提出を行う方が親切です。
また、求められる資料に関して提出に時間がかかってしまう場合も、余程の理由がない限り、
買手企業にマイナスの印象を与えることもありますので、求められる資料は纏めて素早く買手企業へ提出するようにしましょう。
買手企業へ開示する情報は見せ方(資料として作成して提出する)よって印象は大きく異なります。
例えば、売手企業から提出された資料をそのまま買手企業へ提出するのか、
もしくは、内容を取りまとめた資料を作成し買手企業へ提出するのかで、同じ情報でも印象は大きく異なるものです。
また、マイナス情報についても改善する対策や、そういった状況になった要因などを
資料に纏めて提出するだけで印象は違ったものになります。
この辺りは、売手企業と依頼するアドバイザー会社が協力して、資料作成を行うことをお勧めします。
また、アドバイザー会社が作成して買手企業へ提出する際は、売手企業はしっかりとその内容のチェックを行った上で買手企業へ資料提出を行いましょう。
買手企業からすればアドバイザーから提出される資料は、イコール売手企業からの資料と認識しています。
よって、その資料に間違いがあった場合や、異なった情報を提供していた場合は、
買手企業は売手企業に対して「大丈夫なのかな?」という不安を抱いてしまうからです。
買手企業に提出する資料や開示する情報は、たとえアドバイザーが作成した資料であっても
売手企業として責任を持ってチェックし、買手企業へ提出するようにしましょう。
買手企業は売手企業から提出される資料を基に投資判断をしています。
よって、売手企業から提出される資料の信ぴょう性は投資判断に大きな影響を与えるのです。
買手企業からしっかりと評価してもらうためにも下記の4つのポイントはしっかりと抑えておきましょう。
以上の点に注意して、買手企業に対して情報開示を行いましょう。
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