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【M&A事例】会社売却後の社長の人生まで考える

2018/07/20

会社売却は人生の通過点でしかない

 

 

 

※守秘義務の問題もありますので社名等はアルファベット記載とさせて頂きます。

 

 

「事業の承継に関しては全部で8社くらい問合せをしたかな…

御社が最後(8社目)の面談だけど、こんなに詳しく質問するのは御社くらいだよ。」

 

 

 

K社との面談の最後にこのようにY社長からお話頂き、

改めて当社は他の企業とは違うスタンスで

お客様対応をしているのだと思いました。 

 

 

 

なぜY社長は、その様に感じたのでしょうか?

それは弊社ならではの考えに基づいています。

 

 

その考えとは何か?

 

 

 

今回は【その考え】について事例を通してお伝えしていきます。

 

 

 

案件概要

 

 

 業種  飲食業(3店舗運営)
 社長の年齢  74歳
 年商  2億円 営業黒字
 純資産  約3,200万円
 金融機関借入  4,200万円
 従業員  34名(パートアルバイトを含む)
その他  自社ビルを所有(名義は社長個人)

 

 

 

会社売却を検討するまでに至った経緯

 

 

もう75歳になるし、次の世代に引き継がないと

   

 

Y社長も今年で75歳を迎え、体力的にもそろそろ

引継ぐべきタイミングかなというのは70歳になってから

ずっと頭のどこかにあったようです。

 

 

心のどこかで今いる従業員や娘(2人娘がいます)の

どちらかが次いでくれればという想いはあったようですが、

なかなか思うようには物事は進まず…

 

 

 

「本当なら、娘婿が継いでくれればいいのかなと思っていたけど、

2人の人生があることだし、そこはあきらめるしかないと最近思うになってきたよ。」

 

 

「従業員の中にも、候補者はいたんだけど、

やっぱり経営者となると責任や借入の問題もあるし、

なかなか上手くいかないもんだね」

 

 

 

実は、Y社長が会社売却を具体的に検討しようと考えてきっかけは、

後継者として期待していた従業員の退職が原因だったのです。

 

 

 

弊社が面談時にお聞きしたことは

 

 

 

弊社が面談時に心がけていることが2つあります。

 

 

・限られた時間の中で経営者の考えを整理してあげること

・現在の置かれている状況を把握して頂き、明確な選択肢を提供する

 

 

です。

 

 

 

面談時間はおよそ2時間半程度

まずは、会社の事業内容からヒアリング。

 

 

Y社長のご自身が長く行ってきた事業には自信を持っており、

創業時の話や多店舗展開を決断するときのお話など、

約1時間程度は会社の事業のお話を聞かせて頂きました。

 

 

お話の合間に弊社からもY社長にご質問していきながら、

社長ご自身のこと、会社を売却されるに至った経緯をお聞かせ頂きました。

 

 

面談時には決算書をご用意して頂きますが、

実際に決算書(財務内容)を見て、

質問させて頂く時間は15分程度でしょうか?

 

 

財務状況も確かに重要ですが、

それは後でじっくり確認すればいいので、

ざっと企業価値に関わる部分の確認と

それに関する質問をする程度にしています。

 

 

重要なのは、あくまでも事業内容です。

 

決算書には表れない企業の価値を見出すことが私どもの仕事です。

 

 

ここまでで、ざっと2時間経たないくらいです。

 

最後に社長がご希望される会社売却の条件、

Y社長ご自身の今後のライフプランなどについてお聞かせ頂きました。

 

 

面談の最後にヒアリングさせて頂いた内容を整理し、

現在取り得る選択肢をお話して面談は終了。

 

 

以下、ご面談時のY社長のご希望です。

・会社譲渡価格:1億円

・不動産譲渡価格:1億円

・その他条件:従業員の継続雇用

 

 

後日、これらをもとに弊社からY社長へご提案した内容は下記の通りです。

 

 

<弊社からY社長へのご提案内容>

 

ⅰ. 相続が発生することを前提として事業売却方法の算定

 

ⅱ.不動産の売却については再検討

 

ⅲ.事業を引継いで頂ける買手企業と最低3社面談し、

 買手企業を選択できるようにすること

 

 

上記の様な提案をさせて頂きました。

 

 

 

弊社がこのような提案をさせて頂きた理由とは

   

 

実際にK社の売却先が決定し、

全てが完了するのに約3カ月の歳月を要しました。

 

 

ⅰ.売却に関するスキームの提案

 

これは弊社の特徴でもありますが、

経営者がM&Aでの会社の売却を希望していた(当初はその相談をしてきた)としても、

最良の選択肢が別にあれば、双方を比較し、

経営者にとって最良の選択ができるようにお話をさせて頂きます。

 

 

そこには弊社の利益が大きい、小さいは関係ありません。

 

 

経営者の満足を追求することこそが、会社が継続していくために必要なことであり、

それを追求することが弊社の方針だからです。

 

 

ある意味で、現在のM&A業界が進んできた道とは少し違うところではありますが、

それこそが弊社の存在意義と考え、ご支援させて頂いています。

 

 

 

 

 

弊社では、ご相談頂いた経営者の希望条件、今後のライフプラン、

現在の状況などを十分にヒアリングさせて頂いた上で、

オーダーメイドでご提案させて頂いております。

 

 

もちろん、弊社のみで全てが対応できる訳ではありません。

 

 

今回は税理士事務所とチームを組んで案件対応をしています。

 

 

 

この事例では、

 

・Y社長が高齢である点、

・同様に奥様も高齢である点

・2人の娘様が既に既婚しており、事業の引継ぎは行わない点

・会社やY社長の資産を売却した際の譲渡代金が高額になる点

 

などを考慮し、通常の会社売却(株式の譲渡)だけでなく、

今後発生するであろう相続にも配慮したスキームをご提案することにしました。

 

 

そのため、税理士事務所には、相続のスキーム、

税金等の支払シュミレーションなどを担当して頂き、

弊社が買手企業を見つける業務を行うような

業務分担で案件を進めることとしました。

 

 

ⅱ.本当に経営者にメリットがあれば、経営者の希望に反して説得することも

 

 

【経営者を説得することも弊社の重要な業務】


 

 

本件においては、Y社長は個人で所有する不動産の売却も希望されていました。

 

 

その理由はいろいろとあるかと思いますが、

資産の現金化を望まれていたというのが第一だったようです。

 

 

本件のスキームの詳細については、控えさせて頂きますが、

税理士との打合せの中で本件に関しては、

明らかに不動産は売却しない方がメリットあるという結論に至りました。

 

 

本件の依頼を受けて2回目のY社長とのご面談時に

「不動産の売却は今回はやめましょう」と伝えました。

 

 

すると社長は

「いや、はじめのお話のとおり売却の方向で」

 

 

こちらも明確にメリットがあるお話でしたので、

「売却はやめましょう」

 

 

Y社長からは

「いや売却で…」

 

 

こうなるとメリットがある、ないという話じゃないと

いうことになってしまうので、一旦冷静になって

 

    

「そもそも会社と不動産を売却してどうしたいのですか?」

という根本的な目的の話をさせて頂きました。

 

 

2、3度打合せを重ねた結果、

 

 

いつになるか分からないが、

「2人娘や孫が苦労しないように資産を残しておきたい」

という【親の想い】を優先し、不動産の売却をしない決断をして頂けました。

 

 

最終的には経営者の決断に委ねますが、

弊社も信念を持って取り組んでいますので、

経営者の説得が必要と考えれば、

納得がいくまで議論させて頂く方針でご支援させて頂いております。

 

 

【方針が決まれば後は買手企業探し】


 

 

本件は、会社体制、財務状況から

比較的買手企業を探すのは容易な案件でした。

 

 

結果的には案件案内を開始して2ヵ月以内に全ての譲渡が完了しました。

 

 

買手候補が見つけやすい案件(人気のある売り案件)は

複数社と面談することをお勧めしています。

 

 

弊社では可能な限り経営者の方に買手企業を

2~3社程度はご面談(トップ面談)の機会を作りたいと考えております。

 

 

これもお客様へ選択肢を提供するという考えによるものです。

※案件内容によっては、1社のみの候補としか面談ができなかったという場合もございます。

 

 

 

【複数社と面談をするメリットとは】


 

 

売手側からすれば、相手が選べる、選択できるというのは非常に大きいです。

つまり、候補先の条件などを比較できるメリットがあります。

 

 

・社長の人柄

・社風

・譲渡後の方針(考え方)

・譲渡価格

・会社に対する評価

など

 

 

この辺りは面談を通じて確認して頂きたいポイントです。

 

 

それを確認した上で、候補先を比較します。

 

 

本当に引継ぎ先としていい先はどこか?

比べることで見えてくるものが当然あります。

 

 

また、譲渡価格に関してもある程度の妥当性が

見えてくるという点も数社と面談するメリットです。

 

 

【最終的な買手候補の選定は社長の大事な仕事】


 

 

3社との面談が終わり、条件が出揃った状況で

最終的な決断を下すことは最も重要な経営者の仕事です。

 

 

3社それぞれに良い点があり、甲乙つけがたい状況ではありました。

 

 

「社長、最終的には何を優先されますか?」

 

「もちろん創業者利益を得るということで譲渡代金が

最も高いところを選択することもいいと思いますよ」

 

「従業員の雇用や雇用条件は守られるので、

最後にご自身の今後のことを考えて決断することに誰も文句はいわないですよ」

 

 

結果、Y社長は

「譲渡代金が一番高い会社でお願いします。」ということでしたので、

一番譲渡代金が高い会社(=一番会社として評価をして頂いた)

に譲渡することを決めました。

 

 

 

結果として

 

・譲渡代金9,200万円

・不動産の売却はなし

・従業員の継続雇用

・買手企業が自社テナントビル(Y社長所有)の継続利用

 

という条件で譲渡が完了しました。

 

 

 

今回のM&Aに関して

 

 

最終的にY社長も納得して頂いた上での

方針決定ができたことは非常に良かったと考えております。

 

 

また、将来を見据えてしっかりと会社売却から相続まで

ワンセットで対応できたこともY社長は非常に満足されていました。

 

 

M&A(会社の売却)とは、人生の1つの出来事でしかありません。

※もちろん非常に重大な決断をようする大変は出来事ですが

 

 

社長の個人の人生は、会社を売却した後も続きます。

 

 

そういった広い視点で会社の売却を捉え、

その先の社長の人生も考えた上で最良の選択肢を提供する。

 

 

それが私たちの仕事であり、今回はその良い事例だったと思います。


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